伝統継承に助成金 伊是名村勢理客「イリチャヨー」


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 【伊是名】伊是名村勢理客区の伝統文化行事「イリチャヨー」が、公益財団法人明治安田クオリティオブライフ文化財団が主催する「地域の伝承文化の継承・発展活動」に選定され、3日、同村勢理客公民館で、「地域の伝統文化助成金目録贈呈式」が行われた。

明治安田生命保険相互会社沖縄支所の依田英之支社長から、勢理客の儀間善光区長に46万円の助成金目録が贈呈された。
 儀間区長は「助成金を通して素晴らしい着物を贈呈していただき心から感謝する。イリチャヨーの行事の入羽(いりは)の衣装として活用していく」と礼を述べた。
 4日に行われたイリチャヨーの行事では、新調した着物を着た住民が、踊りを披露した。
 「新調した着物の黄色が、鮮やかできれいだ」と参観したお年寄りがうれしそうに話した。
 関係者と一緒に見学し、カチャーシーを踊った依田支社長は「子どもたちから豊かな心が育まれていることを感じた。少しでもお役に立ててうれしく思う」と感動した様子で話した。
 イリチャヨー行事は旧暦8月11日に島中の神職が神アサギに集まり、航海安全・農作祈願を祈る祭りとして、イリチャヨーの歌と踊りを奉納する行事が行われる。
 唐・南蛮行きの船出が行事化されたものだといわれ、尚円王時代前後の進貢船・接貢船の船員が伊平屋島(現在の伊平屋・伊是名村)出身者が多数を占めていたといわれる。
(東江京子通信員)

<地域の伝承文化の継承・発展活動>イリチャヨーの行事の後に贈呈された着物を着けた入羽臣下たちと、贈呈した明治安田クオリティオブライフ文化財団の関係者=4日、伊是名村勢理客区東ゴーザ
贈呈式で明治安田生命沖縄支社長の依田さんから助成金目録を贈呈された勢理客区区長の儀間さん(側にあるのが贈呈された着物)=3日、勢理客区公民館