台風19号、本島直撃けが25人 避難勧告15万人超


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 沖縄気象台によると、大型で非常に強い台風19号は12日午前0時現在、勢力を保ちながら時速約15キロで北に進み、沖縄本島地方に最接近した。午前3時までには台風の目が本島を通過し、今後は猛烈な風が長時間にわたり吹き続ける見込みだ。

10日夜に出された沖縄本島地方の暴風警報は12日夜まで続く見込み。11日午前10時1分、南城市玉城糸数で最大瞬間風速49・7メートルを観測。那覇市と糸満市の男女2人がドアに指を挟まれ切断する重傷を負うなど、台風による負傷者は25人になった。
 11日午後10時現在、6市町村が計6万4761世帯、15万2408人に避難勧告を出した。また午後11時現在、33市町村で303世帯、742人が自主避難している。
 11日は空や海の交通機関はほぼ全便欠航、路線バスや沖縄都市モノレールも終日運休した。停電は午後10時現在、4万7300戸。幹線道路の通行止め、商業施設の臨時休業などが相次いだ。12日夜まで各方面への影響は続く見込みだ。家屋や車両の破損、土砂崩れ、床上浸水なども各地で発生した。
 12日午前0時現在、大雨や洪水、高潮、波浪の各警報も県内各地で継続している。11日午後11時20分までの24時間雨量は国頭で498・0ミリ、那覇で252・0ミリを記録し、13市町村で土砂災害警戒情報が出された。沖縄地方は、12日には1時間に80ミリの猛烈な雨が降るおそれがある。大潮の時期と台風接近も重なるため、低い土地での浸水被害、高潮被害などへ厳重な警戒を呼び掛けている。
 11日午後10時現在、中心気圧は935ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は45メートル、最大瞬間風速は65メートル。中心から半径280キロ以内では風速25メートル以上の暴風、中心の北側700キロ以内と南側600キロ以内では風速15メートル以上の強風となっている。
 台風の目が沖縄本島を通過するのは2012年9月の台風17号以来。

台風19号の強風でなぎ倒された読谷高校正門の大木=11日午後3時39分、読谷村伊良皆(花城太撮影)
台風19号強風・暴風の予想時間