【浦添】浦添市仲間の市美術館と市保健相談センターの間にある「てだこチョウハウス」が市民の憩いの場として親しまれている。「オオゴマダラを楽しむ会」のハウスで、ことしは冬の寒さのせいか、今は20匹ほどのオオゴマダラが飛び交うが、多い時は130匹余が舞う姿が見られるという。
管理を担当している與儀ひとみさん(57)=市前田=は「卵から幼虫、さなぎ、成虫になるまで一連の成長過程がここで見られる。出入りは自由なので多くの人に見てもらえれば」と話している。
「てだこチョウハウス」は昨年3月の沖縄国際映画祭の「うちなーディープスポット部門賞」にも選ばれた。
ネットに囲まれたハウス内は樹木が木陰をつくり、オオゴマダラの食草ホウライカガミをはじめ花の蜜を求める成虫のためランタナやペンタス、ハナキリンなどの草花が咲く。
きっかけは市の生涯学習講座「てだこ市民大学」を受講した與儀さんが、卒論でオオゴマダラをテーマにしたことだ。2000年ごろに建てられたチョウハウスが廃れているのを3年前に與儀さんが発見し、市内の小学校からオオゴマダラ10匹を分けてもらいハウス内を整備、現在の数まで増やした。
「チョウを通して南部から北部まで、いろいろな人と知り合いになった。幼虫を同じ箱に入れておくと、大きい幼虫が小さい幼虫を食べてしまったり、木陰がないと雨や暑さで弱ってしまったり、試行錯誤しながら楽しみながら育てている」と話す。
金色に輝くさなぎが葉にぶら下がり、羽音を立てて飛び交うオオゴマダラに、訪れた人は「癒やされる」「チョウを見ると元気になる」などのメッセージを残している。夏休みの自由研究のテーマで通う小学生もいるという。「ここに来て自然に触れてほしい」と與儀さんは話している。
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