鎮魂歌で心一つ 浦添少年少女合唱団が40年


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浦添少年少女合唱団のメンバーら。2列目中央が指導者の鶴渕信子さん=浦添市中央公民館

 【浦添】浦添少年少女合唱団がことし6月、設立から40年を迎える。鶴渕信子さん(65)=県少年少女合唱連盟理事長、元小学校音楽教諭=の指導の下、小学3年から高校3年まで25人が浦添市立中央公民館で毎週土曜日に練習に励んでいる。

6月14日に浦添市てだこホールで開かれる「レクイエム・プロジェクト沖縄2015」や9月に長崎で行われる被爆70年記念事業のレクイエムコンサートを控え、ドイツ語で歌う鎮魂歌に取り組んでいる。
 合唱団発足は、浦添市内の五つの小学校で働く音楽教師が集まり「子どもたちに文化的な学びの場として合唱団をつくろう」と話し合ったのがきっかけ。互いの学校から20人ずつ児童を集め、100人の合唱団でスタートした。
 入団には小学4~6年を対象にオーディションで選考していた時期もあった。次第に卒業して中学生になったOB・OGや妹・弟にも枠を広げ、現在に至る。
 メンバーの中にはソプラノ歌手や音楽教諭の道に進んだ卒業生もおり、鶴渕さんと共に指導に当たる後継者も卒業生の中から育っているという。
 団員の田里海織(みお)さん(15)=宜野湾市、中部商業1年=は「みんなで声を合わせることでできることがある。みんなの声がそろうと気持ちがいい」と述べ、「異年齢の仲間との交流も楽しみの一つ」と目を輝かせる。
 また去年から通う津波古花咲(はな)さん(9)=浦添市=は「歌っている時が一番楽しい」と話す。浦添を中心に宜野湾や豊見城から通うメンバーもいる。
 鶴渕さんは「子どもたちがいつ来ても、気軽に歌ってほっとできる場に、また次頑張ろうと思えるような場になってもらいたい」と話し、子どもたちの指導に当たっている。
 設立40年記念となる定期演奏会は、来年3月を予定している。