クロツラヘラサギ2羽飛来 羽地内海での「越夏」初確認


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羽地内海で初めて越夏が確認された2羽のクロツラヘラサギ=10日午前11時20分ごろ、名護市真喜屋付近

 【名護】名護市の羽地内海で10日午前、環境省レッドデータブックで絶滅危惧種に指定されているクロツラヘラサギ(トキ科)2羽が餌をついばむような様子が見られた。越冬のため昨年飛来した若鳥とみられ、羽地内海での「越夏」が確認されたのは初めて。

 2羽を観察した国指定屋我地鳥獣保護区管理員の渡久地豊さん(52)は「餌の魚が豊富にあり、よい環境だったのだろう。30年ほど同海域付近で調査しているが、越夏を初めて見た」と意義を強調。来春には繁殖地の朝鮮半島に飛び立つとみられるが「羽地内海が越冬、越夏の拠点となって飛来数が増えてくれれば」と期待した。
 2羽はくちばしに横のしわがなく、若鳥とみられる。渡久地さんは昨年12月に成鳥1羽と若鳥2羽の飛来を確認しており、その後に屋我地島運天原の岩礁などで羽を休めていた若鳥とみている。
 この日は干潮時刻の午前11時ごろから約30分、名護市の羽地内海の干潟で、2羽が仲良く並び海面にくちばしを突っ込みながら移動する様子が確認された。