【アメリカ】ロス日系3世の受勲盛大に祝う


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受勲者の一人、ガーフィアス氏(前列左から3人目)を祝福する真境名愛子さん(同2人目)ら=モンテベローのレストラン

 昨年秋と今年春の受勲者でロサンゼルス居住区に住む3人をたたえる祝賀昼餐(さん)会が6月26日、モンテベローのクワイヤット・キャノン・レストランで開かれた。南カリフォルニア日商(安部新二会頭)が主催した。受勲者はいずれも沖縄の血は流れていないが、三人三様で沖縄にゆかりがある。

 受章したのは、ジョージ・ナカノ・カリフォルニア州下院議員、俳優で元全米日系人博物館理事長のジョージ・タケイ氏、ロバート・ガーフィアス・カリフォルニア大学アーバイン校教授の3人。
 ナカノ氏は、日米関係の強化などに貢献、タケイ氏は日系人の社会的地位向上、ガーフィアス氏は40年以上にわたり、雅楽をはじめとする日本の古典音楽を研究してきた。
 ナカノ氏は、沖縄県人会館が位置するガーデナ市地区が地元になっており、毎年県人会の会館建設記念祭と新年宴会に出席、会員を激励している。「政治家は支持があって初めて何かを成すことが可能になる。そういう意味で日系社会の支持に感謝したい」と謝辞を述べた。次回の州上院議員に立候補を予定している。
 タケイ氏は日米2国間の重要性に触れ「これからも日米関係の強化のために働いていきたい」とあいさつした。当日は「海から豚がやってきた」の舞台出演のため、駆け足で祝賀会場を後にした。ナカノ、タケイ両氏は昨年秋の叙勲。
 元米国芸術評議会委員も務めるガーフィアス氏は、今春旭日中綬章を受章、5月20日に東京での勲章伝達式に出席した。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)、バークレー校、アーバイン校、ワシントン大学などで雅楽、能、歌舞伎、沖縄古典音楽関係の講座などを担当した。1951年に初めて日本を訪れた時に日本の音楽に魅了された体験を紹介しながら、「これからも日本の古典音楽の紹介に努めていきたい」と述べた。
 沖縄にも古典音楽関係の知人が多く、日本語も堪能なことから沖縄で講義をしたこともある。北米沖縄県人会の芸能部顧問で文化部長でもある真境名愛子さんとは琉球舞踊を通して長年の親交がある。真境名さんは、古典の指導者沢岻安和さんや大城清隆さん、琉球箏曲興陽会ロサンゼルス支部長の照屋勝子さんらと一緒に同氏の祝賀会に出席した。
(当銘貞夫通信員)