【アメリカ】会館購入6周年祝う 北米沖縄県人会


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長年にわたるボランティア活動の功績が認められ、表彰されたサンキさん(左)と比嘉さん

 北米沖縄県人会はこのほど、ロサンゼルス近郊ガーデナ市の県人会館で、会館購入6周年を記念する祝賀会を催した。各主要団体から招いた来賓や県人会のメンバーら約150人が参加するなか、チャーリー・ヨシコ神谷夫妻の名前を冠した図書室の新名称が発表されたほか、県人会の発展に著しく貢献してきた比嘉朝儀元会長と公立校教諭、キティ・サンキさんの2氏が表彰された。

 比嘉さんは1960年に渡米後、県人会に入会。理事や芸能部長、会長などを歴任し、35年以上にわたって県人会に貢献する傍ら、羅府第二上町学園の理事長も務めるなど、各方面でさい配を振るった。会長在任時には、沖縄県人としての自覚と誇りを持とうと方言教室を開設。自ら教材を作成し、教師として指導にあたるなど意欲的な活動を展開し、従来の県人会の活動基盤を拡大した。
 現在は、南加県人会協議会の書記として、他県との連携の強化を図る一方で、地元の日本語ラジオで「ハイサイウチナー」という番組を担当。方言を交えながら沖縄の魅力を紹介するスタイルが人気を呼んでいる。
 一方、「子供のころから先生になるのが夢だった」と話すサンキさんは、ロサンゼルス市内の小学校に勤務する傍ら、南加日系商工会議所の副会頭や県人会の奨学資金委員を務めた。さらに、日系市民協会や日系歴史研究会などの諸団体でさまざまな役職を兼任。南カリフォルニアの日系社会を基盤に、リーダー性を発揮してきた。
 カリフォルニア州とロサンゼルス市、ガーデナ市、沖縄県人会からの表彰状がそれぞれ両氏に授与された後、あいさつに立った比嘉さんは、「方言教室は新しい挑戦だったが、今では英語が母国語の三世の生徒が自然に方言であいさつするなど定着化。ベストを尽くしてこられたのも会員と妻のおかげ」と感謝した。
 「骨身を惜しまずに陰で努力する先生がいたからこそ続けてこられた」と生徒らに囲まれる比嘉さんを前に、中村達司・南加県人会協議会会長は「率先して会を切り盛りし、新しい道をつくった比嘉さんの努力は尊敬に値する」と祝福の言葉を贈った。
 (平安名純代通信員)