【アメリカ】沖縄で移民研究へ/劇作家のジョン城田さん


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移民の研究などを行うため沖縄に来ることになったジョン城田さん(右)。左は妻のバーバラ城田さん

 「レイラニのハイビスカス」などの演劇で沖縄でもよく知られる劇作家、ジョン城田さん(77)が、移民の研究と論文作成のため沖縄に行くことが決まった。
 日米友好協会と日本芸術協会から助成金が与えられ、週に一度は琉球大学で研究結果発表の講義をする予定。期間は4月中旬から10月中旬までの半年。同大法文学部の山里勝己教授によって今回のプランが実を結んだ。

 城田さんは8人きょうだいの6番目。ハワイ生まれの沖縄系2世で、両親は宜野座出身。ユタ州にあるブリガム・ヤング大学を卒業後、軍に入隊し沖縄に滞在したこともある。帰国後ハワイからロサンゼルスへと移住し、作家活動に入った。
 処女作は、ハワイにおける沖縄日系2世の苦労や親子のきずなを描いた、自身の家族がモデルの「ラッキー・カム・ハワイ」。そのあと「パイナップル・ホワイト」「レイラニ―」などの作品を発表した。これらが認められ、アメリカで活躍する優秀な劇作家に与えられる「ジョン・F・ケネディ・センター賞」を受賞した。
 「城田さんの作品はすべて『沖縄移民』がメーンテーマになっている。彼は移民、特に沖縄からの移民について、ある執念と愛情を持って書いてきた。今回この計画実現で、沖縄の人々と沖縄移民全体をもっと掘り下げて研究してほしい、とお願いしている」と山里教授は話している。琉大は、城田さんを英米文化専攻の客員研究員として受け入れ、研究室を与える。
 城田さんはこれまでに「レイラニ―」の上演などで何度も沖縄を訪問しているが、今回のような長期滞在はないという。妻のバーバラさんも同伴し、沖縄で英語を教える予定だ。
 (当銘貞夫通信員)