今年一番覚えるべき言葉は「チャイルドグルーミング」 モバプリの知っ得[160]


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

2021年もスマホ・ネットについて様々なテーマで書いてきましたが、その中でも今年大きく話題となった言葉は「チャイルドグルーミング」です。性暴力などの目的を隠して、SNSで子どもたちに近づき、信頼させて断りにくくした上で、裸の画像・動画を要求したり、個人情報を要求したり、会うことを求めることを意味します。

今月7日も、16歳の男子高校生にわいせつな動画を送らせて脅迫し、性的暴行をくわえた二人の男が逮捕されています。逮捕された男は、男子高校生を信用させるため、女性になりすましてやり取りしていたとのことです。

SNSは投稿をたどっていくと、プライバシーに関わることが透けて見えて、投稿者はどういった人なのかがわかるようになっています。パズルをピースだけ見てもわかりませんが、つながると全体が見える。それに近いものがあります。その人のフォロワーや投稿している写真などから、人となりが分かってくるのです。

最初から悪いたくらみがあってSNSをやっている人は、年齢をなりすましたり、キャラクターを作り込むことができます。やりとりしている相手が同じくらいの年齢と思っていたけど、全然年の離れた性別も違う人だった、というのはよくある話です。

イラスト・小谷茶(こたにてぃー)

ひと昔前は、リアルな社会とネットの世界は「別の物」という認識の人も多かったのですが、スマホの普及などでリアルとネットの境目は曖昧になってきました。そのため、SNSで知りあった人たちが結婚をしたり、会社を一緒に立ち上げたり、前向きな活用も増えています。その一方、チャイルドグルーミングのように子どもを性犯罪のターゲットとして狙うための場所として動いている人も沢山います。少なくとも未成年のうちは、SNS・ネット・ゲームで知り合った人とは絶対に合わないでおきましょう。

チャイルドグルーミングで若者を狙う人は、弱っている人やつけこめそうな人を狙います。SNSで家族や学校、友だちとの人間関係の愚痴を投稿した時に、優しい言葉でなぐさめてくる人は…もしかしたら今まさにチャイルドグルーミングをしている最中の悪い人かもしれませんね。身近になって、色々な人とつながれるからこそ、簡単に信用はせず、自分の個人情報やプライベートな情報は伝えない、防御を意識した使い方が必要です。

 琉球新報が毎週日曜日に発行している小中学生新聞「りゅうPON!」でも同じテーマを子ども向けに書いています。

 親子でりゅうPON!と琉球新報style、2つ合わせて、ネット・スマホとの付き合い方を考えるきっかけになればうれしいです。

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。

http://smartphoneokoku.net/