ヤフコメとヘイトクライム モバプリの知っ得[177]

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昨年8月、京都府宇治市の「ウトロ地区」で放火事件が発生しました。ウトロ地区は朝鮮半島出身者とその子孫が多く住む地域で、放火の罪などで逮捕・起訴された22歳の被告は「韓国が嫌いだった」と述べています。

人種、国籍、宗教など特定の属性への差別意識から引き起こされる犯罪行為を「ヘイトクライム」と呼びます。22歳の被告はウトロ地区の放火以外にも、韓国民団(韓国の団体)愛知県本部への放火、民団奈良県北葛支部へも放火未遂をした罪に問われており、今回の一連の放火事件はど真ん中のヘイトクライムと言えます。

被告は情報源として「Yahoo!ニュース」のコメント欄をあげており、「ヤフコメ民(Yahoo!ニュースのコメント欄によくいる人)をヒートアップさせたかった」と事件の狙いがあったことをWebメディアBuzzFeedの取材で述べています。

Yahoo!ニュースは日本最大級のニュースサイトで、コメント欄に差別・侮辱的な投稿が多くあることを以前から指摘されています。被害者を過度に責め立てるコメントが並んでいたりもします。Yahoo!側は「問題のある投稿はAIを使って非表示」と対策を表明していますが、現在も関連するニュースでは差別的なコメントが多数書き込まれており、再び似た事件が発生しないか不安を覚えています。ヤフコメで差別が再生産される事態は直っておらず、管理できていないという話だと思います。本当に考えないといけないのは、一番アクセスが高いヤフコメのようなところで差別的書き込みが並んでいるのは、人びとの差別感情をあおる方向で機能してしまっているという現実です。


イラスト・小谷茶(こたにてぃー)

ヘイトクライムはいきなり、ある日突然発生するわけではなく、もっと前の段階で人種や宗教、特定の人たちに対するささいな「偏見」や嫌なイメージが植え付けられ、それが蓄積してフラストレーションが爆発させるときに発生します。「◯◯人はこんな性格だ」という偏見にネガティブな情報が組み合わさることで「◯◯人は危険な人たち」となり、「危険な◯◯人を日本から追い出さないといけない」と考えが飛躍してヘイトクライムにつながります。

ロシアのウクライナ侵攻を受けて、日本国内のロシア料理店への嫌がらせという事態も起こっています。新型コロナウイルスの感染拡大を巡っては、欧米でアジア系の人や日本人へのヘイトもありました。人間の弱い部分をついたものなのかとも思います。

SNSのフェイスブック(FB)、現在社名はメタとなっていますが、昨年内部告発がありました。あえて差別や憎悪のような人の目が集まるように放置しておいて、人権侵害を防ぐよりも収益拡大を優先させたというものです。Yahoo!も実質的には憎悪コメントを放置していることになっている、その意図はわからないが、構造としては収益のために差別を黙認しているのではと指摘されても仕方ないかもしれませんし、企業としての社会的責任を果たしていないとも言えます。その意味でもヤフコメはどうにかした方がいいということを言い続けていかないといけないと思います。

解説 ヘイトクライム…ロシアがウクライナに軍事侵攻した後から、日本国内のロシア関連の店の看板が破壊されるなどのヘイトクライムが発生しました。2020年に新型コロナウイルスが世界で感染が広がり出した当初、欧米でアジア人に対するヘイトクライムが発生しました。こうしたヘイトクライムが放置・容認される社会では、最終的に民族虐殺(ジェノサイド)につながると言われています。

 


 琉球新報が毎週日曜日に発行している小中学生新聞「りゅうPON!」でも同じテーマを子ども向けに書いています。

 親子でりゅうPON!と琉球新報style、2つ合わせて、ネット・スマホとの付き合い方を考えるきっかけになればうれしいです。



【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。

http://smartphoneokoku.net/

 



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