ファスト映画投稿の代償 モバプリの知っ得[204]

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今月17日、東京地方裁判所は「ファスト映画」を投稿していた二人に、5億円の支払いを命じる判決を言い渡しました。

ファスト映画とは、映画会社に無断で映画を10分ほどにまとめ、ストーリーを全て解説する動画です。時間をかけずに映画の内容を知りたいという人や、「タイパ(タイム=時間のコストパフォーマンス)=時間対効果」を重視する人たちに人気を博していました。ファスト映画の投稿者らは、無断投稿する動画についた広告で700万円ほどの収入を得ていたようですが、結果的に収入を大きく上回る5億円の支払いを命じられる判決が出ました。

他人の作ったイラスト・漫画・音楽・映画などの著作物(コンテンツ)を無断で使用すると、著作権侵害になることがあります。今回のファスト映画をめぐる判決も、そのものずばり著作権侵害事件でした。

著作権侵害についてもう少し掘り下げてみましょう。

著作権侵害については、刑事と民事、どちらも処罰の対象になることがあります。

もともとは著作者が被害を訴えてはじめて捜査されて、その結果、罪になるという親告罪でした。それが2018年12月から、法改正で一部のルールが変わり、非親告罪化された部分も出てきました。

特に考えないといけないのが、人の作った著作物を使ってお金もうけをする行為です。これは非親告罪で、刑事と民事ともに訴えたれるケースになります。冒頭の今回のケースは、海賊版とかコピーサイトなどさまざまな言われ方をしていますが、音楽やゲーム、映画で逮捕者が出ている分野ではあります。

これに関しては、投稿者だけでなく、違法に海賊版をアップロードしていると知りながらダウンロードした利用者も犯罪になって摘発される可能性があるので気を付ける必要があります。


イラスト・小谷茶(こたにてぃー)

その上で、さらに考えたいのが、お金もうけをしない場合です。例えば、SNSのプロフィール画像にアニメの作品のキャラクターを使用しているケースです。これも著作権を持つ著作者の許可がなければ侵害になりますが、こうしたお金もうけでなくて趣味の範囲だと親告罪として、著作者が訴えなければ見逃される場合もあるかもしれません。

単にアニメ作品のキャラクターをアイコンに使い、その作品を応援するようなファンアカウントであれば作者も「著作権侵害です!」とは訴える可能性は低いかもしれません。しかし、アニメ画像をアイコンに使って差別的な発言をすると作者の方から「著作権侵害なのでやめてください」とストップがかかる可能性があります。「著作権侵害」とは言っても、作者が許すかどうかの要素もあるため、実際は「問題のない使い方か」を考える必要があります。

どこまでを許して認めるのかは著作者の考えによって変わります。

コロナ禍で歌手の星野源さんが自身の曲を各自クリエーティブに使ってもいいですよーと表明して、多くのアーティストなどがそれぞれのSNSなどで使ってみんながハッピーになったケースがありました。

あいまいな部分もあるので、この著作物が誰のものか、その著作者が2次利用についてどういうスタンスなのかを把握して、ここまでならOK、お金もうけは論外などと段階に応じて考えていく必要があります。

~ 解説 ~

昨年解説したファスト映画についての記事はこちらです

「ファスト映画」で逮捕者 モバイルプリンスの知っとくto得トーク[216]

 


 琉球新報が毎週日曜日に発行している小中学生新聞「りゅうPON!」でも同じテーマを子ども向けに書いています。

 親子でりゅうPON!と琉球新報style、2つ合わせて、ネット・スマホとの付き合い方を考えるきっかけになればうれしいです。



【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。

http://smartphoneokoku.net/

 



「モバイルプリンスの知っとくto得トーク」はこちら

 




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