しなやかに生きる モデル SHOKO(下)

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「スポンジのようにいろんなことを吸収したい」。まっすぐに見詰めるSHOKOさん

 モデルとしてアジア圏で活躍後、現在は東京に拠点を移し大手企業の広告モデルとして活躍するSHOKOさん(29)。沖縄人とスイス人の「ミックス」の彼女が考える「世界と私」とは―。

からかわれたことも・・・

―お父さんは沖縄の人、お母さんはスイスの方ですよね。小中学校ではかなり目立っていたのでは。どんな子どもでしたか。


小学生の頃のSHОKОさん

 糸満市出身なんですが、学校でも目立っていました。(米軍基地の多い沖縄本島)中部ならミックスの子はほかにもいるはずだけど、私の通っていた学校でミックスは私と弟くらいで、「アメリカー」とからかわれたこともあります。
 なんでこんなことされるのか分からなかった。私は沖縄で生まれて沖縄で育っているのに。しかもお母さんはアメリカ人じゃないし(笑)。

(沖縄戦の傷跡が残る)糸満だからか、知らないおばあちゃんにスーパーで「アメリカーは怖いさ」と言われたり。おばあちゃんはもしかしたら戦争の時に怖い思いをして、本当に外国人が怖いのかもしれないから仕方がないかなと思うけど、そうじゃない人に「アメリカー」と言われるのは納得できなかった。

 どうしたら言われなくなるのかなと考えて「見た目がみんなと同じようになればいいのか!」と当時人気のあった浜崎あゆみのまねをして金髪にしたり、ルーズソックスをはいたり。ここが私のずれているところなんだけど、こんな顔をして金髪にしたら余計目立つんですよね(笑)

 中学校くらいまでは「お母さん、学校に来ないで」と思うこともありました。でも 偏見を持たずに接してくれる友人もいたので、高校生になると「言いたい人は勝手に言えば」と思うようになった。だって親はかえられないしね。


「私、やることが少しずれてるんです」と笑う

  台湾の事務所はミックスのモデルばかりが所属しているインターナショナルな事務所でした。ほかの人に聞いてみるとみんな私と同じような体験をしていた。田舎の小さい学校ならなおさらだった。「な~んだ、みんな同じじゃないか」ってそのとき思った。

―「ミックス」であることで嫌な思いをしたこともありますが、逆に海外ではその魅力が受けて活躍しました。そんなSHOKOさんからみて、今の日本の雰囲気ってどう感じますか?

 今、外国の人にいろいろ言う人がいるけど、狭いところしか知らないんだろうなと思う。「フィリピンの人知っている?」「韓国の人に本当に何かされたの?」と聞きたい。中国人と接して嫌な思いをしたとか言っても、日本に来ている観光客に横入りされたとかそんなレベルじゃないのかな。中華圏の仕事からスタートした私から見るとそう感じる。
 台湾、香港、中国にも住んだことがあるけど、嫌な思いをしたことはない。日本のことを好きだという人もたくさんいた。それなのに一部の人がニュースで伝えられていることや政治の話だけを見て、その国やその国の人たちのことを知らずにシャットダウンしているようなのが残念。とてももったいない。何人だからじゃない。個人でみた方がいい。

「居場所はきっと、ある」

―2013年夏に拠点を東京に移しました。台湾では大きな仕事もしていたのになぜ、日本に拠点を移したのですか。

 海外である程度働かせてもらったので、次は新しいところでチャレンジしたいと思うようになったんです。
 「美しさ」の基準とかどんな表情が好まれるのかって国によって違うんです。日本には日本の基準がある。モデルの仕事を始めた頃、「あれも足りない」「これも足りない」って試行錯誤したんだけど、日本で通用するようにまたそんなことをやってみたいと思って。

―沖縄にはかつてのSHOKOさんのように悩んでいる人や、海外に羽ばたきたいと思っている人は少なくないと思います。伝えたいことはありますか。

 私は最初に沖縄でモデルを始めたときに事務所の社長に「ミックスだからいい」と言われた。そんなことを言われたのは初めてで、認められた感じがした。育った過程があって今のあなたになっている。変える必要はない。私はだめだと思わないで。私は日本でだめなら期間限定で海外にトライしてみようという軽い気持ちで台湾に行った。ここでだめなら他にいけばいい。居場所はきっと、ある。

(聞き手・玉城江梨子)



SHOKO(しょうこ) 本名・池間晶子 1986年生まれ。沖縄県糸満市出身。18歳でモデルデビュー。沖縄大学在学中の20歳の時に台湾に行ったのを機に海外中心のモデルとして活動。2012年には台湾・中国の合作映画「宝島双雄」に出演。「GQ」台湾版の2014年2月号の表紙を務めた。2013年から拠点を東京に移し、主に広告のモデルとして活動している。


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