ホウライカガミを育てる 沖縄の植物漫歩(3)


ホウライカガミを育てる 沖縄の植物漫歩(3)
この記事を書いた人 Avatar photo 玉城江梨子

 ふわふわと飛ぶオオゴマダラは子どもたちが大好きなチョウ。さなぎは黄金色で、とてもきれいです。オオゴマダラの幼虫が食べる植物キョウチクトウ科ホウライカガミを育ててみましょう。

 最近はガーデンセンターで苗を売っていますが、苗づくりから挑戦するのも楽しいものです。挿し木で苗を作ります。挿し穂は2節ぐらいにして、葉ははさみ半分に切り落とします。挿し木する土は、鹿沼土や赤玉土を使います。挿し穂は複数準備します。挿し木をして1~2カ月で発根します。挿し木は3~5月が良いです。挿し木したら毎日ジョウロで散水します。カタツムリが葉を食べるので防ぐ工夫をしてください。

黄金色に輝くオオゴマダラのサナギと、羽化したチョウ
ホウライカガミの挿し木

 苗は、市販の用土で3寸ポットに植え替えます。2週間ほどしたら根も落ち着くので、アブラカス等の肥料を与えます。ツルが伸びてきたら、尺鉢に植え替えます。ツルが伸びたら、先端を切り、枝ツルを出させます。ツルが成長したら誘引用のリング支柱を入れ、ツルを支柱にビニタイで固定します。肥料は1カ月に1回与えます。水は鉢土が乾いたら与えます。日光がよく当たる場所で育てます。

 1年後にはホウライカガミが育ち、オオゴマダラが飛来して産卵し、幼虫が育ち、黄金のさなぎを待つだけです。もし、産卵に来なければ、チョウ園を持っている施設に問い合わせてみてください。幼虫を譲ってくれるかもしれません。ホウライカガミを育て、オオゴマダラを卵、幼虫、黄金のさなぎ、羽化まで観察する楽しみは親子に最適です。感動しますよ。ぜひ挑戦してみてください。

(NPO法人沖縄有用植物研究会 比嘉正一)

(2014年11月7日琉球新報掲載)