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女性が生き生きウチナー文化 100cmの視界から―あまはいくまはい―(9)


女性が生き生きウチナー文化 100cmの視界から―あまはいくまはい―(9)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 私がこれからやってみたいことの一つは模合! 私は大学進学以降、内地生活が長いので、模合に入る機会がいまだありません。内地の友だちに、模合について話すと「女性が毎月、家を空けて外食できるの?」と驚かれます。内地文化では結婚したら、家庭・旦那さんを優先することが普通で、女性が外食することはほとんどないようです。私も結婚後、友だちからの誘いが減りました。そんな内地のマナーを知り、肌で感じ、びっくりな私。結婚したら妻だけ交友関係に制限が出るだなんて! 人権侵害じゃないかしら、とも思ってしまいます。
 
 そんな私は、内地文化に染まることなく、今年の春、高校時代の友だち3人で、伊勢神宮へ旅行に行きました。もう15年以上の親友で、いまでは3人とも既婚者。久しぶりに子育てから解放された3日間。伊勢神宮のパワーを浴び、元気になりました。私もイキイキうちなー女性の仲間入りかしら!?

高校時代の友だち3人で伊勢神宮へ女子旅。イキイキうちなー女性です

 また、沖縄の人が職場で「模合があるから」と言って終業後すぐに帰宅するのも、内地文化からすると驚きのようです。プライベートな理由が職場で通じるだなんて!

 でもそれこそが沖縄の人たちの温かさのように私は感じます。人と集うことがいつでも自然にできて、子どもを連れて外食するのも当たり前。夜遅くまで居酒屋に子どもがいることは賛否両論ですが、それも文化の一つのように思えます。

 夜のファストフードが、ゆんたくするおばちゃんたちでいっぱいの光景は、私の誇る沖縄文化です。夫たちは「また、遊び歩いて!」と思っているのかもしれませんが、そんな沖縄女性の生き方はすばらしいです。女性が夜や休日に出歩けるのは、「女性が輝ける社会」の最先端とも言えるのではないでしょうか!? まぁ現政権が掲げているのとは、異なるかもしれませんが(苦笑)。

 そして、私が沖縄の人たちに誇りを感じるのは、エレベーターに乗った時です。沖縄では、車椅子の私のために、まわりの人が詰めてスペースを空けてくれます。せわしい内地では、エレベーターが混んでいると、乗っている人たちは私と目も合わせずさっとドアを閉めるのも普通です。本当に悲しくなってしまいます。

 人とのつながりが密で、まわりを思いやることができる沖縄の人たち。そして女性がイキイキ生きる沖縄。私もうちなー女性の一人として、そんな優しさ、輝きを、忘れずに内地で生きていきたいです。ちょっと浮いてしまうこともあるかもしれませんがね。
(次回は16日に掲載します)

伊是名夏子

 いぜな・なつこ 1982年那覇市生まれ。コラムニスト。骨形成不全症のため車いすで生活しながら2人の子育てに奮闘中。現在は神奈川県在住。

 

(2017年10月2日 琉球新報掲載)