発想と工夫\ギュッ/と詰めた ローソン×那覇商業高校 商品開発プロジェクト

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ローソン沖縄と県内の現役商業高校生がコラボする「商品開発プロジェクト」。昨年11月の最終審査会でグランプリに輝いた那覇商業高校の「ちぎりタコスパン」の商品が完成した。「3つにちぎって友達とシェアできる」という現役高校生ならではの発想を生かした惣菜(そうざい)パンだ。17日に県内のローソンで発売を開始する。5月7日まで販売される予定だが、2万5千個の数量限定のため、数量に達し次第終了となる。


第3回開発会議の風景。商品サンプルを前に、高校生たちがローソン沖縄の開発担当者と真剣に議論した



「さて、2つの選択肢のうち、どちらを選びますか?」

2月8日、那覇商業高校(以下、那覇商)の商品開発室。ローソン沖縄商品部の友利朝華さんの言葉に、那覇商の生徒商業研究部のメンバーは、しばし考え込んだ。

この日は、昨年11月21日の最終審査会でグランプリに選ばれ商品化が決定してから、3回目の開発会議。高校生たちの目の前には、商品サンプルが並んでいる。

1回目の開発会議では、3社より提案された商品を試食し、生徒たちがイメージする商品に近い商品を製造したオキコ株式会社をパートナーに選んだ。続く2回目の開発会議では、オキコが生徒たちの改善案を基に試作した商品を提示したが、理想とする形には届かず、再び改善要望が出されていた。

今回提出された商品サンプルには、一般的なパン生地ではなくもちもちとした食感の生地が使われた。独特の食感が生徒たちの心をとらえ、この生地で商品を作りたいという希望が出されていたのだ。

試食したところ、風味は上々だった。しかし、試作の過程で、もちもち食感の生地には、大きな弱点があることが分かった。


もともと「ちぎりタコスパン」は、「1個のパンをちぎって、みんなでシェアできる」というコンセプトを軸に企画した商品だった。最終審査会では、5センチほどの小さなパンをつなげて焼き上げ、1個ずつちぎって食べるという商品のイメージ図が発表された。

何個かにちぎったパンのうち、1個だけに「当たり」として激辛具材が入っているというゲーム的な要素も評価され、グランプリにつながった。


商品は実際に試食し、味をチェック

ところが、もちもち食感生地はその特性上、パンをつなげて焼成することができず当初のイメージ通りにはいかない。さらに焼き上げる過程で生地が破裂し中の具材が飛び出してしまうことが分かった。そのため開発会議では、1個ずつ焼き上げたサンプルが提出された。

「パン生地を使えば、つなげて焼くことができます」とオキコの担当者・赤嶺直紀さんが伝えた。ただし、もちもちとした食感は犠牲となる。



もちもち食感生地か、シェアできるパン生地か―。究極の選択に、高校生たちの意見は分かれた。「もちもちした食感にこだわり抜きたい」というメンバーも多く、多数決も半数に分かれ、なかなか意見がまとまらなかった。

行き詰まった場の雰囲気を変えたのは、生徒商業研究部の顧問・久保奈々子教諭の一言だった。「迷っているなら、原点に立ち戻って考えてみたら? あなたたちは、どんな商品を作りたかったの?」


商品の発案者である嘉味田梨愛さん(左)と意見を述べる喜納香音さん

生徒たちは、商品企画の原点にあった、「みんなで楽しく食べてもらえる惣菜パンを作りたい」という思いを再確認した。

「もちもちした食感も捨てがたいけれど、やっぱりちぎってシェアできるという要素は必要だと思う」―。ある生徒の言葉に、他のメンバーたちも静かにうなずいた。

再度、多数決を行うと、全員がパン生地を選ぶことに合意した。



生地の種類が決まっても、まだやるべきことは残されている。2月28日の4回目の開発会議では、タコスにからめるソースと、3個のうち1個の「当たり」に入れるソースを決定した。いくつかのパターンを試食し、納得のいく味を選んだ。

並行して、パッケージのデザインも進められた。高校生たちは、イメージキャラクター「那覇商子」をあしらうアイデアを提出した。「那覇商子」は、「那覇商業高校」からのネーミングだ。イラストが得意な同校の教諭が、授業のプリントなどに使用していたキャラクターがベースになっている。


第4回商品開発会議で試食したパン。数種類の具材の組み合わせ候補から、納得のいく味を選んだ

高校生たちが提出したパッケージデザイン案。自分たちでイメージ図を作製した

宣伝・広報活動にも積極的に参加した。琉球新報の副読紙「週刊レキオ」の特集(4月12日付)では、レキオ編集室の協力のもと、紙面構成案から記事本文の執筆まで、自分たちの手で行った。17日から放送されるテレビCMには生徒自身が出演するなど「売れる商品」作りのため、販売促進活動にいたるまでメンバーがアイデアを出し合った。



(後列左から)糸洌桃圭さん、上地優さん、喜屋武直子さん、宮平佑太さん
(前列左から)糸数亜捺さん、石川新菜さん、喜納香音さん、嘉味田梨愛さん




ローソン沖縄と県内の商業高校がタイアップする商品開発プロジェクトは、昨年度に続き2回目。高校生が「弁当、おにぎり、菓子パン、惣菜パン」の商品カテゴリーの中から1つを選択し、新商品を考案する。今回は、県内の商業高校生から、全96作品の応募が寄せられた。

書類審査を通過した6チームが、昨年11月21日に那覇市内で開かれた最終審査会で、審査員にプレゼンテーションを披露した。

いずれのチームも、商品のターゲットやニーズなどの分析を踏まえた上で、持ち時間6分で商品の魅力をアピール。グランプリに輝いた「ちぎりタコスパン」のほか、県魚グルクンを流行のアヒージョ仕立てにした「グルクンのアヒージョおにぎり」(具志川商業高校)、20代の若者が好む朝食をテーマにした「タコス風ホットサンドウィッチ」(那覇商業高校)、「沖縄color(カラー)」をイメージし、ドラゴンフルーツを練り込んだ紫のパン生地が特徴の「ドラゴン☆サンド」(南部商業高校)、紅いもと塩キャラメルというユニークな組み合わせの「紅いも塩キャラメルパン」(那覇商業高校)など、多彩なアイデアが光る商品案が発表された。

「疲れた夕方に、女性が食べたくなるパン」をコンセプトに、甘い&しょっぱい味わいが同時に楽しめ、疲労回復効果を狙った「塩キャラメルUFOパン」(那覇商業高校)は、準グランプリに選ばれた。

ローソン沖縄の古謝將之社長は、「最終審査に臨んだ商品は、企画から市場調査、コンセプト、パッケージまでよく考えられており、いずれも甲乙つけがたい内容だった。この経験を今後に生かしてもらいたい」と激励した。


最終審査会のプレゼンに臨んだ6チームと審査員


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企画・制作 琉球新報営業局



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