絵本がつくる親子の楽しい時間 沖縄県産本☆ バックヤード便り[57]


社会
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第57回 絵本がつくる親子の楽しい時間

書店に入ってくるなり絵本コーナーに一目散に走っていく子どもたち、目を輝かせていろんな絵本を読む姿を見るとなぜか幸せな気持ちになります。

最近は本を読んであげる親が少なくなっていると聞くが実際はどうなんでしょうか?

私が小さいころは母に毎日絵本を読んでもらったのを覚えています。

新しいものや、何回も読んでもらい内容を覚えている本など、どの絵本もワクワクしながら聞いていたのを覚えています。

今でも読んでもらった絵本のことはほとんど覚えています。その中でも特に印象にのっこっているものが数冊あります。『100万回生きたねこ』『三びきのやぎのがらがらどん』『おしいれのぼうけん』『じごくのそうべえ』です。

いろいろな本を読んでもらったが、この4冊はとても印象に残っています

『100万回生きたねこ』は子どもながらにいろいろと考えさせられる本でした。ちゃんと理解できていたわけではありませんが、子どもながらに生と死、ホントに大切なものとは何か? について考える本でした。『三びきのやぎのがらがらどん』と『おしいれのぼうけん』どちらも怖いキャラクターが登場する絵本で、こどもの頃はそれが怖くてとても印象に残っています。トロルもねずみばあさんも絵本を代表する怖いキャラクター。特に『おしいれのぼうけん』は、描写や表現が子ども心をすごく分かっていて、暗闇でいろいろなことを想像してしまい押し入れ恐怖症になったことを覚えています。

『じごくのそうべえ』はハチャメチャ感がとてもおもしろく、こんな地獄なら行ってもいいなと思えるほど面白かったです。続編もいろいろと出ていて、最近では沖縄が舞台なった『そうべえときじむなー』も出版されていてより身近に感じる絵本になりました。

最近子どもたちに人気の絵本は『おしりたんてい』シリーズや、ヨシタケシンスケさんの、子どもの不満や言い訳を面白おかしく書いた絵本などが人気です。

親子の触れ合いに筆者おすすめの絵本

それ以外にも、昔はあまり見かけなかった絵本で、子どもたちのいたずら心をくすぐるような仕掛けの絵本など、最近の絵本はすごいバリエーションが増えていて、子どもたちにとても刺激を与えていると思います。

読み聞かせは親子のコミュニケーションのきっかけにもなり、またこどもの感性も豊かになります。他にも知的好奇心が刺激されたり、想像力豊かになったり、読み聞かせはとても大事な教育になっている。

絵本を読んでもらった経験は、子どもたちが大人になった時、きっと楽しかった思い出として心に残るとともに、自分たちの子どもたちにもその思いを受け継がれていくと思います。

絵本を通じて、子どもたちと一緒に楽しい時間を共有できよう私たち書店も頑張っていきたいと思います。

吉山 盛綱(よしやまもりつな)大城書店石川店店長。1987年生まれ。宜野座高校出身。2016年から石川店の店長に。趣味は体を動かすこと、映画鑑賞、音楽を聴いたり演奏したり、その他いろいろです。

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