「求人を出していても応募がこない企業」には共通点がある【働き方改革@沖縄(2)】

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「ハローワークに1年間くらいずっと募集出しているのに、全然応募がないんですよ」

「以前は求人広告誌に出せば応募はきたのに、近頃は電話1本鳴りませんよ…」

「スタッフが今月で辞めちゃうので、来週までに採用しないとお店を開けられません!」

企業規模の大小は問わず、経営者や管理職の方は今、あいさつの後の二言目には「人材不足」の話をすると言われています。新聞やテレビ、ウェブでも、人手不足に関する記事は毎日のように報道されています。

採用・求職活動は、恋愛や結婚に似ています。

「人材が集まらない」などの悩みも、恋愛に例えて考えると解決の糸口が見えてきます。

そんな考えに基づいて私は、中小企業のための採用戦略メソッド「レンアイ型採用コンサルティング」を考案し、建設業・観光業・介護福祉関連・IT企業・飲食店・不動産会社…あらゆる業種業態で人材不足にお困りの企業をサポートしてきました。

過去2年、約350件のセミナーや約100社の個別相談などを重ねる中で、「求人を出していても応募がこない企業」には同じ傾向があることに気がつきました。



企業と学生の距離を近づけるため、さまざまなイベントを企画・開催しています。写真は2017年に開催した「就活フレア」終了後の記念撮影の様子です。著者の小宮は左端で手を挙げています=2017年6月、北谷町のオキナワライブハウスモッズ



◇執筆者プロフィル 

小宮 仁至(こみや ひとし) ファンシップ株式会社 代表取締役

広告会社やWEBマーケティング会社を経て、2015年にファンシップ(株)を創業。2016年より「レンアイ型採用戦略」を提唱し、企業へのセミナーや求職者への採用支援を実施している。1979年生まれ 熊本県出身。うちな〜婿歴10年の2児の父。



「有効求人倍率がこんなに上がっているんだから、今は採用って難しいよね…」

「うちの会社は不人気業界だから、仕方ないよね…」

「最近の若い子はお休みをたくさんあげないとこないんでしょ?」

私に相談に来られる方々は、半ば嘆きとも諦めとも取れるような表情でこの3つのお話をされます。

でもね、これ… 
全部思い込みです!

採用も求職も根っこは恋愛と同じ。

採用は100人の応募ではなく「定着する1人の人材を採用すること」がゴール!

つまり100人にモテることではなく、1人と真剣にお付き合いする恋愛のようなものなのです。そんな考え方に基づく採用活動を分かりやすく伝えるために「レンアイ型採用」と名付けました。

「社員なんて、しょせん駒の1つだ。代わりなんていくらでもいる」

そんな考え方とは対極の考え方です。



沖縄の企業は「レンアイ」に向いている



沖縄の多くの中小企業は、実はみんな「レンアイ型採用向き」なんですね。

なぜなら、定期的に大人数を採用するのではなく「たった1人でいいから、定着してくれる人材を、相性優先で、必要なときに採用したい」と願う経営者が多いからです。

当コラムでは、これまでの企業や個人へのコンサルティングで見えてきた、沖縄の採用・求職活動の現状や課題を紹介していきたいと思います。
 




データでは計れないこと



今回はあいさつ代わりに、冒頭に触れた思い込みをレンアイに例えて分解してみましょう。

「有効求人倍率がこんなに上がっているんだから、今は採用って難しいよね…」

例えばみなさんの友人で結婚願望がある独身の方が「沖縄は男性の生涯未婚率が全国ワーストレベルだから、オレも結婚できないと思うんだよ」って相談してきたら…なんて言います!?

「いやいやいやいや、それは関係ないから!自分自身の問題だから!率で結婚しないし!」
って言いません? 結婚する時に人口データを眺めたりしませんよね?

でもなぜか採用って、「仕事」とか「業務」だから眉間にしわを寄せて考えてしまい、こんな当たり前のことも全然気づかずに、難し〜く考えてしまいがちなのです。
 



私が「レンアイ型」を始めたワケ



ここで私の自己紹介をさせてください。

私は1979年生まれです。私が20代の頃は「就職超氷河期」と呼ばれ、大卒でも就職率が50%台という今とは真逆の時代でした。それまで常識と言われてきた価値観や既存のレールが壊れていっているようで、そもそも「働くとは?」「仕事とは?」と疑問を投げかけながら生きてきました。

その後20代で沖縄に来て、広告会社やWEBマーケティング会社を経験し、2015年にファンシップ(株)を創業しました。実はこの創業の時まで「採用」という分野で働いたことはなく、むしろ「販促」や「集客」分野でのキャリアを重ねてきました。

なので、創業当時から求職者の実態や本音をつかむため、いろんなイベントを企画しアンケートやヒアリングを続けてきました。
 




▼「就活フレア」の様子

プレビュー

「就活フレア」では、参加企業の経営陣に学生目線の質問をぶつけます=2017年6月、北谷町のオキナワライブハウスモッズ

▼「相席社長」の様子

プレビュー

企業と学生双方に、互いの距離を縮めてほしいと企画した「相席社長」。社会人は「説教禁止」! 学生は「遠慮禁止」! そんなルールが人気です=2017年9月、宜野湾市内



その中で分かったこと。
それは、今は企業側の「採用難」と、求職者側の「就職難」が同時に起こっているということ。

つまり、「雇用のミスマッチ」というお互いの溝が大きく開いていることが一番の問題だということでした。



雇用のミスマッチ=情報発信のミスマッチ



沖縄で「雇用のミスマッチ」と言うと、非正規雇用の割合が多いので、もっと企業に正規雇用をするように勧めたりそれを助成したりすること…。みたいな話題の時に使われます。ですが、私が思う「雇用のミスマッチ」とはレンアイに例えるところの「会社も従業員も相思相愛ではない状態」のことです。

現在、企業は採用難で人が集まらないため、どんどん求人のターゲット層を広げたり、時給を無理して上げてみたりしてしまいがちです。

でも、それってレンアイに例えると
「20代〜60代の女性なら誰でもいいから付き合って!」ということになったり
「オレ、年収1000万だぜ。結婚したいだろ!?」と似たような意味になってしまっています。

はい。もうお気づきでしょうが、こんな求人情報を発信している企業に誰も行きたくないですよね。

求職者に好かれようと思ってやっていることが全くの裏目に出ている。

そう、情報発信のミスマッチが、雇用のミスマッチの根本原因なんです。
 



ベストマッチをつくるために



私はこの2年、採用難の企業を数多くお手伝いしてきました。その中で強く感じていることは、何か特別な制度をつくったり、たくさんの予算をかけたりする前に、やれることがたくさんあるということ。一番、大事なのは普段、当たり前にやっている仕事や取り組みをありのまま発信することなのです。そうすればピッタリな人材は集まってくるのです。

もちろん企業側の発信だけが問題ではなく、働く側の意識も変わっていかなくてはなりません。

「自分には何の資格もない」とか「自分には何の才能もない」とか言って、とても魅力的な方が不平不満を言いながら今の職場で我慢しながら働いていたりすることも多々ありますよね。

これもレンアイに例えますよ。
そもそも、結婚相手やお付き合いする相手に「資格」とか「才能」とかを求めますか? もちろん、それが信用につながったり共通の話題になったりして、プラスに働くことはあるでしょう。

でも、本当に大事なことはもっともっと奥の方。アナタの本質的なことではないでしょうか。

そんなアナタと情報発信不足の企業の間を取り持つのが私の仕事=レンアイ型採用です。
アナタも相思相愛のお仕事や職場は、意外と近くにあるかもしれませんよ。




執筆者プロフィル 小宮 仁至(こみや・ひとし)
ファンシップ株式会社 代表取締役

http://www.funship.jp/

「レンアイ型採用コンサルタント」「レンアイ型就転職コンサルタント」として、商工会議所など公的機関でのセミナーを随時開催し、2016年以降300社以上が受講。就・転職者向けセミナーや個別相談300件以上、中小零細企業向けの採用コンサルティングでは個別相談企業100件以上、契約企業で6カ月以内の採用成功率は87%。沖縄県商工会議所連合会エキスパートバンク登録専門家、沖縄県産業振興公社登録専門家。1979年生まれ 熊本県出身 2002年より沖縄移住。うちな〜婿歴10年の2児の父。




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