壁一面に泡盛ずらり! 古酒好きが集まる店を見つけた【島ネタCHOSA班】

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八重瀬町宜次に泡盛コレクターの方が経営するというお店があると聞きました。店内に飾られた泡盛はものすごい量だそうです。希少なものも多いとか。どんなお店なのか、調べてみてください!​

(沖縄市・バニラアイスさん)​



「クース家 宜壽次(ぎすし)」(八重瀬町)


クース家 宜壽次
店主の外間善幸さん

ものすごい量の泡盛ですか。お酒大好き調査員も気になります。調べてみましょう。

少し調べてみると、お店の名前が「クース家 宜壽次(ぎすし)」ということが判明。しかしこのお店、完全予約制なのです。取材させてくれるだろうか、と心配になりながら連絡してみると、店主の外間善幸さんが応対してくれました。すると、近日中に、泡盛好きが集まって古酒を飲む会があるので、その日なら取材オーケーとのこと。



泡盛通が集う



調査員は外間さんに指定された日に八重瀬町宜次のお店を訪れました。外からは雰囲気の良さそうな居酒屋さんだなぁ、という風にしか思わなかったのですが、ドアをくぐった途端にびっくり。

お店の壁沿いには、ところ狭しと泡盛が陳列されています。360度どこを向いても泡盛! 泡盛のボトルや甕(かめ)が壁をなしているようにも見えます。


クース家 宜壽次
クース家 宜壽次店内の様子。古酒に囲まれながら、古酒を楽しめます

迫力ある光景に調査員が呆気に取られていると、外間さんが出迎えてくれました。この日は那覇市で古酒を販売するお店「泡盛館」が主催する模合が開かれることになっており、そこで古酒が振舞われるそうです。今回の模合は会のテーマも決まっており、ずばり「37年古酒を楽しむ会」。会が始まると、メンバーの前には30年ものの泡盛が惜しげもなく注がれていきます。「うちには10年よりも若い泡盛はないよ」と外間さんは自慢げに笑います。

模合のメンバーも県内の泡盛通がそろっている様子。沖縄市から通っているという男性に話を聞いてみると、「この模合に参加するようになってから、他のお店で飲めなくなってしまいましたよ」と饒舌(じょうぜつ)に語ります。それくらい上質な古酒ばかりが振舞われるようです。



泡盛の歴史と魅力伝える

模合の皆さんと談笑していると、古酒でほろ酔いの外間さんが店内に置いてあるものをいろいろと見せてくれました。

まず見せてくれたのは、1950年代ごろ、アメリカから輸入されていたビールやウイスキーの瓶を再利用し販売されていた泡盛。店内の棚の一角に、数十種類が並べられていました。廃業してしまった酒造所の銘柄も多く保存してあります。次に外間さんが指差したのは、ビニール紐を使い10本で一まとめにされた小瓶。「昔は商店でこうやって売っていたんだけど、今はもうこの縛り方ができる人はいないはずね」と外間さんは懐かしそうに言います。

数あるコレクションの中でも特に希少価値が高いのは、「シャム南蛮」と呼ばれる貯蔵用の甕。琉球王朝時代に、アユタヤ(現在のタイ)から輸入された甕は、古酒の貯蔵に重宝されています。外間さんが所有するシャム南蛮で貯蔵された古酒は琥珀(こはく)色に輝き、上品な甘い香りを放っていました。

20代半ばで泡盛を集めだしたという外間さん。当初は、米軍基地内で働いていた親戚が持ってくるウイスキーとの交換が目的で収集していたそうです。そんなある日、20年ものの古酒を口にして考えが一変。良い古酒に出会ったことで自分でも貯蔵を始め、それを提供するお店を開くにいたったそうです。

最後に「泡盛を愛しているんだ!」と力強く語ってくれた外間さん。「クース家 宜壽次」は古酒のすばらしさを届けようとする外間さんの情熱がつまったお店なのでした。


クース家 宜壽次
外間さんが所有する「シャム南蛮」の甕。中の古酒は1972年貯蔵!

クース家 宜壽次
戦後すぐの時代、ウイスキーやビールの瓶に詰められて販売されていた泡盛



クース家 宜壽次
八重瀬町宜次129ー9(マップはこちら
営業時間 18時~23時(予約制)



(2019年2月21日 週刊レキオ掲載)





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