那覇市ののうれんプラザ2階に暖炉やストーブ、焚き火用品を売っているお店があります。前を通る度に「こんな暑い沖縄でも使えるものがあるのかねー」と気になっています。どんなお店なのか詳しく調べてくれませんか?
(那覇市 年中散歩)
ストーブや焚(た)き火用品のお店ですか。依頼者さんの言う通り、県内だと大がかりな暖房器具はなじみが薄いですよね。でもお店があるからには、おすすめの商品や利用法がありそうです。
火は実用性だけじゃない
ということで、調査員は依頼のあったお店「KIYOI FLAME.沖縄(キヨイフレイムドットオキナワ)」にやって来ました。代表の熊井哲也さんにお話を聞いてみましょう。あのー、ここって何のお店なんですか?
「うちは『火のある暮らし』を提案するお店です。暖炉や薪(まき)ストーブ、アウトドア用品などを取り扱っていますよ。火を使う器具が備えるのは、暖房や調理などの実用性だけではありません。インテリアとして楽しんだり、眺めることでリラクゼーション効果も期待できるんです」
そう熊井さんが答えてくれました。なるほど、火を焚く理由はいろいろあっていいのですね。店内を見渡すと、オシャレな雰囲気の商品がならんでいます。扱っているのは主にヨーロッパのメーカーのもの。機能性やデザイン、耐久性の高さなどこだわりが多いのが特徴です。
何か手ごろな商品はありますか?と聞いたところ、卓上用のグラスキャンドルを紹介してくれました。照明を消した部屋で灯すと、ガラス容器の中で炎がふわふわと揺れ出します。見ていたのは少しの時間でしたが、なんだかほっと一息ついた気がしますよ。
「これを眺めながらのお酒が良いんです」と熊井さんが笑顔で教えてくれました。火のリラクゼーション効果を期待して、県内の方でも家に薪ストーブを設置する、という場合があるようです。
環境にも配慮
店で扱っているアウトドア用品は、頑丈な作りの焚き火台や、複数人で囲むことを想定したバーベキューグリルなど。火の周りに集まるという要素が大事にされています。屋外でもちょっと特別な雰囲気を楽しめて「グランピング向き」なのだそう。
店の一角には広葉樹を使った薪のコーナーもあります。
「薪も買うの?」と驚く方もいるかもしれませんが、「含水率20パーセント以下」という火がつきやすい基準まで乾燥された木材はなかなか手に入らないんです。こちらは燃やしても煙が少なく、爆(は)ぜにくいというメリットがあります。
現在販売している薪は、端材を使用しており、持続的に供給可能なもの。将来的には、県産の木材を薪として活用することも模索していくそうです。この他、全て生分解性の素材でできた使い切りのバーベキューグリル「クラフトグリル」も販売中。焚き火やバーベキュー、ストーブも環境に負荷をかけない方法で楽しむ、というのがこれからのスタンダードになるようです。
「沖縄は各家庭にヒヌカン(火の神)があるように、火を大事にする文化です。安全に利用すれば、暑い気候でもすばらしい体験ができますよ」
最後にそう伝えてくれた熊井さん。「KIYOI FLAME.沖縄」は火の魅力を再発見させてくれるお店なのでした。
火の扱いには十分注意して、今週末はちょっとオシャレな焚き火なんていかがですか?
〈店舗情報〉
暖炉・薪ストーブ専門店 KIYOIFLAME.沖縄
那覇市樋川2-3-1のうれんプラザ209-1
☎098-943-6882
(2022年10月13日 週刊レキオ掲載)