りゅうちゃんに次ぐ琉球新報の新キャラ「前野メリー」をご存じですか? 彼女は、情報に前のめりなZ世代のギャル。タンクトップにサングラスというスタイル、「○○じゃね?」といったゆる~い口調は、新聞社のキャラらしからぬ(?)独特の雰囲気を漂わせているのですが…!?どのような思いでこのキャラが生み出されたのか、担当者にいきさつを聞いてみました!
まずは、「前野メリー」のルックスをご覧ください!
サングラスにタンクトップ、ピアス、ウェーブがかったピンクのロングヘア、赤いマニキュア。そう、彼女はZ世代の「ギャル」。隣に座ったりゅうちゃん、そして記者との対比が、なんだか不思議なムードをかもし出しています。
Z世代のギャル登場!?
そんな前野メリーは、琉球新報公式YouTubeで、隔週金曜にアップしている動画「新聞記事読んでみね? feat.前野メリー」に登場するアニメーションのキャラ。
たまたま琉球新報の前を通ったら、りゅうちゃんに呼び止められ、動画に出演することに…という設定で、りゅうちゃんや記者と一緒に、注目のニュースを各回1~3分程度で紹介する役割を担います。
彼女のキャラはというと…。ルックスから想像されるように、「○○じゃね?」「うえ~い」など、ゆる~い口調と独特のアクセントが特徴。その一方、芯は意外としっかりしていて、記者が解説するニュースを受け止めつつ、隣のりゅうちゃんが繰り出すボケに冷徹かつ容赦ないツッコミを入れるのも忘れません。ニュースの合間に挟まれるコントのようなやりとりは、新聞社のニュース動画から想像される堅~いイメージを、いい意味で裏切ってくれます。
でも、なぜこのような一見新聞社らしからぬキャラが誕生したのでしょうか? 調査員は、動画の企画・制作担当者に話を聞くことにしました。
ニュースに親しみを
前野メリーを生み出したのは、デザイン班の久高陽さん、経済班記者の與那覇智早(ちさ)さんの2人。久高さんは中途採用、與那覇さんは新卒採用という違いはありますが、ともに琉球新報に入社して1年ばかりなのだそうです。前野メリーは、フレッシュな2人がタッグを組んで、作り出されたのですね!
「沖縄を担っていく次の世代の人たちに、もっと新聞に興味を持ってもらいたいという思いで、アニメーションによるニュース動画を作ろうと思ったのがきっかけです」と久高さん。動画なら、若者にも関心を持ってもらえるだろうと企画したといいます。
「それで、知事選の時に試しにアニメ動画を作ってみたんですが…。その時はAIの音声でやりましたが、親しみがわかなかったんです」と振り返る久高さん。そこで白羽の矢が立ったのが、記者役で動画に登場する経済班記者の與那覇さんでした。
「私は大学生の時にYouTubeや演劇をやっていて。久高さんがアニメを作っているという話を聞いて、『ぜひ(声を)やりたいです』と立候補しました」
前野メリーのキャラも、與那覇さんが「ギャルがいい」と提案。身近なZ世代のギャルの画像を参考資料として久高さんに見せ、久高さんがデザインを起こしたそう。昨年末にデモ動画を制作し、3月に始動と相成りました。
ニュース記事は與那覇さんがセレクトし、りゅうちゃんと前野メリーの軽妙なやりとりは2人でアイデアを出しながら台本をまとめていきます。動画のイラストやアニメーション、効果音はすべて久高さんの担当。1~3分の動画を制作するのに半日~1日はかかるといいます。いやはや、動画って大変なんですね。
録音は與那覇さんがスマートフォンを使って行いますが、與那覇さんは声色を使い分け、記者、りゅうちゃん、前野メリーの声をなんと1人3役でこなしているそう。すごい!
「若い世代にニュースを見てほしくてこの動画を作ったというのもあるんですけど、同時に、新聞社でもこういう自由なことができるよ、とアピールしたい」と與那覇さん。
フレッシュな2人が手掛ける前野メリーのニュース動画で、読者の皆さんも、知識あげてこ~!!
(2023年5月18日 週刊レキオ掲載)