沖縄って、中高年メンバーが結成する「おやじバンド」多くないですか? 盛り上がっているみたいなので、調査してくれませんか~?
(那覇市 ねっしー)
ではさっそく現場へ! おやじバンドが多数出演するライブバー「GARAGE BARJJ」(宜野湾市)に行くと、おやじバンド「MTV(エムティービー)」がステージに登場。店内を見渡すと、50代らしき男性客が多く見えます。バンドメンバーが80年代の洋楽を中心にライブを進行すると、客も音楽に合わせてダンス。
同バンドは、バンドリーダーの大城善寛さんが中学生の時に見ていた音楽番組にあこがれて命名。「あい! 昔こんな音楽があったよね」と反応するお客さんの笑顔を見るのが楽しいといいます。
老舗ライブハウスの「LiveStation G7」(那覇市)では、伊江島在住のメンバーがそろうバンド「REVOLVER(リボルバー)」が出演。出演者は全員男性。黒ジャケットと赤カラーに身を包み、出演者自ら踊りながら楽しそうにロックンロール。客も曲に合わせてタオルを振ります。ボーカル&ギター担当の長嶺篤さんは「ウチのバンドは『家族優先』。家族行事等でメンバーが少なかったら、少ないなりに音楽を工夫して演奏します」と教えてくれました。
お客の1人・坂本裕介さん(群馬県)は、「音楽を聞くと元気をもらえる。毎日どこかで生の音楽が聞けるほど音楽が根付いているのは、沖縄ぐらいじゃないかなぁ」とほほ笑みます。
人生の潤滑油
もう少し当事者たちの話を聞いてみます。集まってくれたのは、おやじバンド「GYMM(ジム)」、「ウルマニアン」、「edgeCT(エジェクト)」の皆さん。
「僕は高校時代に忌野清志郎のコピーバンドをやっていましてね、30代になって同級生たちと一緒にバンドをつくりました。」(GYMM・我喜屋訓さん)。「僕は音楽もバンドもやったことなかったけど、那覇まつりのカラオケグランプリに出たら、バンドに誘われたんです」(同・宮城秀喜さん)。
「ウルマニアン」は、小学校1年生からの同級生と職場で再会したのをきっかけに発足。「飲み屋でブルーハーツ歌ったら、女の子にモテモテだったんです(笑)。それで『バンドでやらないか?』と」(平良司さん)。「子育てに仕事、音楽とそれぞれ楽しめる場所があって幸せ。いい人生の潤滑油になっている」(同・伊波常之さん)。
ジャパニーズロックを奏でる「edgeCT」のボーカル・金城盛信さんは、「タバコを吸い酒を飲んで声を張り上げながらブルースを歌っていた時期もありましたが、今はJロック。邦楽は緊張する。歌詞間違えたらすぐバレる(笑)」と話します。「大人になると新しい出会いは少なくなるけど、音楽は出合いがあるから楽しい。やめられないね~」(同・安谷屋均さん)。
家庭や仕事とも両立
「西原グリーンセンター」次長で「TSUTAYA壺川店」を運営する我喜屋訓さんは、「私が『おやじバンド』の言葉を認識したのはテレビ番組。子育てが一段落したおやじ世代の皆さんが、うまい具合に家庭と仕事と両立して楽しんでいますね。私も趣味でおやじバンドでギター弾くようになって、10倍ぐらい知り合いが増えました(笑)」と話します。
「高良楽器店」社長の高良博さんは「若い多感な頃にバンドをやっていた人たちが、今おやじバンドとして活躍していると思います。県内だけでも100組ぐらいバンドがあるんじゃないかなぁ。皆さん健康でずっと音楽を続けてほしいですね」と話してくれました。
音楽に魅了されたおやじたちが情熱を傾ける「おやじバンド」。きっと今宵(こよい)もアツい!
イベント情報
15 th OYAJI LOVEROCK FESTIVAL2023
10月28日(土)・29日(日)
場所:波の上うみそら公園
※GYMM他多数のおやじバンドが出演
(2023年6月22日 週刊レキオ掲載)