銀天街に科学を楽しめる広場が!?【島ネタCHOSA班】


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沖縄市の銀天街商店街に、今年4月、サイエンスカフェ広場「りっかRIKA(りか)」というスペースがオープンしたのをご存じでしょうか。子どもたちが、楽しみながら科学に触れられる場所で、講座や実験教室なども開催しているようですよ。島ネタCHOSA班が行ってみました!

昔ながらの商店街である銀天街とサイエンス―。何だか不思議な組み合わせのような気もしますが、どんな場所なのでしょうか。ワクワクしますね!

好奇心を刺激

さっそく銀天街に足を運んだ調査員。サイエンスカフェ広場「りっかRIKA」は、総菜店「三幸」の向かいにありました。

出迎えてくれたのは、代表の島田誠さん。「もともと玉城商店という雑貨店だった店舗を、家族や友人たちと手作りで改装しました」と笑顔で話します。ドアはなく、街なかとシームレスにつながっているような、アットホームな雰囲気が印象的。「広場」という名称に納得です。

さまざまな理科のアイテムに囲まれた代表の島田誠さん

スペース内を見渡してみると、科学の本が並ぶ本棚のほか、顕微鏡、単眼鏡、望遠鏡、AR(拡張現実)を応用した地球儀など、子どもたちの好奇心をかきたてるアイテムが目につきます。魚のいる水槽や、クワガタのいる飼育ケースもあり、子どもたちは、何かしら自分の興味のあるものを見つけられそう。常設の有料体験プログラムとして、化石・鉱石発掘体験を楽しむこともできます(1000円、1時間以上の時間が必要)。

そのほか、定期的に研究者を招いて講座を開催。琉球大学理学部の小林理気助教と協力し、液体窒素で凍らせたバナナで釘を打つ、静電気発生装置を使って電気の仕組みを体験するなどの実験教室も不定期で開催。こちらは事前予約制で、スケジュールはSNSで告知しています。

店内の様子。ドアはなく、通りとシームレスにつながった開放的な雰囲気
本棚には子ども向けの書籍も多数。自由に閲覧できます

気軽に科学楽しんで

「子どもたちに気軽に楽しんでほしい」と島田さん。りっかRIKAは塾ではなく、子どもたちが、体験を通して自分の興味の方向性を見つける場所、と強調します。

大学と大学院で物理学を研究し、東京で理工書の編集者として数々の本や雑誌の刊行に携わった島田さん。りっかRIKAの原点となったのは、研究がうまく進められず悩んでいた時、子ども向けの科学イベントでボランティアをした経験。「教授に勧められいやいや行ったんですが、子どもたちの目がキラキラしていたんですよ」。その時、科学を伝えることで、科学を支えよう、と決意したと振り返ります。

それから約10年、東京の出版社で編集者としての経験を積んだ後、フリーランスに。19 年に帰沖し、今年4月にりっかRIKAをオープンしました。

この夏休み期間中には、宇宙、恐竜、海の生きものなどをテーマにしたさまざまな講座を集中的に開催。その分野で活躍する第一線の研究者を招いての講座には「編集者時代の人脈が生かせています」と笑います。「研究者の人柄や視点に触れてほしい」との思いから、広場内で子どもたちと実際に顔を突き合わせ、お菓子をつまみながらといった和気あいあいとした雰囲気の講座にしていきたいそう。

「参加した子どもたちからは、活発な質問が出ました。知識も豊富で、はっとするような鋭い質問も飛び出して、感心させられました」。講座に参加した子どもたちの未来が楽しみです!


今後の講座予定

22日(火)には「えみちゃん先生」こと東北大学の湯田恵美准教授を招いた講座を開催。キラキラ工学女子を目指す小中高の女の子に集まってもらえたら、と島田さん。銀天街内の「カフェノア」を会場に、電気信号を用いて、人や動物の心臓の動きを調べる実験を行います。

また26日(土)には、京都大学の中家剛教授が、ゆうれい粒子ニュートリノをテーマにした講座を開きます。

興味のある方は、インスタグラムやフェイスブックから詳細の確認を。

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サイエンスカフェ広場「りっかRIKA」

沖縄市照屋1-11-14

平日13~17時、休日11~17時

不定休

riccarika.koza@gmail.com

(2023年8月17日 週刊レキオ掲載)