小学生からの言葉 不安な子の励ましに【レインボーハート】


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新年度になりました。新たな元号も「令和」と発表され、その響きの美しさにうっとりしている私です。

2016年10月にスタートしたLGBT・性の多様性講演会も昨年度は全国で133回、訪問した学校は70校にも上りました。中でも小学校が増え、一昨年度は6校だったのが26校に。沖縄本島だけでなく、離島の西表島、小浜島、伊良部島、久米島などにある小さな小学校にもたくさん呼んでいただきました。

また、日本トランスオーシャン航空様が飛行機チケットを提供下さり、離島だけでなく故郷岡山県の小学校でもたくさん講演会ができました。西表島の学校講演会には平田観光様がフェリーチケットを提供下さいました。このように企業協賛を頂けたことも昨年度の大きな成果です。

写真はある講演を聞いた女子小学生の感想です。「男の子と遊ぶことが好きで変に思われたことがあったけど、女の子らしく男の子らしくじゃなく、自分らしくすればいいとわかった」とあり、とてもうれしく思いました。

学校講演会を聞いた小学生の感想(竹内清文さん提供)

私自身、小学校の頃はよく女の子と遊んでいて変と言われたことがあって、さみしい思いをしていました。そんな経験があったから「周りと違っても大丈夫!」と子どもたちに伝えたい、そんな思いで続けている講演会です。私の言葉が、周りと違って不安に感じている子どもの励ましになるのであれば、一人でも多くの子どもに講演したいと思えます。

「年間133回も講演をこなすのは大変じゃないか?」と言われることもありますが、実は私は小さい頃から人前でおしゃべりをするのが大好きで、毎回講演会が楽しみです。保育園の卒園式で同級生が代表あいさつをしていたのがうらやましくて、自分もやりたい!と半紙にあいさつ文を書いて自宅で大きな声で読んでいたのを覚えています。小学校3年生の頃からは数カ月に1回、竹内家で「お楽しみ会」を企画し、わざわざチラシも作って台所に貼り、当日は家族全員を集めてしゃべっていました。

あの頃感じた人前でしゃべって楽しいという気持ちと、30年以上たった今、講演をしている時の気持ちは全く同じです。学校講演会では大きな高校になると千人を超える生徒の前に立ち、1時間以上話すこともありますが、一度も緊張をしたことがなく、逆にたくさんの人の前に立てることのわくわく感がたまりません。

本年度も協賛企業各社、学校の先生方などさまざまな関係者の皆さんからご協力を頂きながら、心を込めて、そして楽しくお話できるよう頑張りたいと思います!

(2019年4月9日 琉球新報掲載)

 竹内清文(たけうち・きよふみ) 岡山県津山市出身、沖縄県在住。レインボーハートプロジェクトokinawa代表。LGBTをテーマに学校講演会を数多く行う。