星空の下、スマホ持参で映画鑑賞!?【島ネタCHOSA班】


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ホテルの屋上で上映会が開催されている、という情報を知りました。スマホで音声を聞くなど、新しい鑑賞方法が導入されている楽しいイベントらしいので調べてほしいです。

(豊見城市 シネマーミ)

屋上なので野外!?それも会場がホテルで特別な時間が過ごせそうです。上映会について調べると、那覇市前島のホテルアンテルーム那覇を会場とする「かずさ映画イン沖縄 天空 de CINEMA」の情報を発見。関係者を訪ねました。

ホテルアンテルーム那覇で開催中の上映会

日本での上映は沖縄が初

「世界初の音響システムCinewav(シネウェブ)を使った上映会です。会場に設置したスクリーンを見ながら、ご自分のスマートフォンで音声を聞きます」と説明してくれたのは、シネウェブ・ジャパンの嘉陽かおりさん。シンガポールが本社のシネウェブは、高級ホテル「マリーナベイ・サンズ」の屋上でも上映し話題に。オーストラリアやギリシャでも上映中で、日本では沖縄を拠点に全国展開を目指すそう。注目の上映方法だと調査員は予感!

当日はスマホとイヤホン持参で会場へ

嘉陽さんの案内で早速上映会を体験。まずは無料アプリをスマホにダウンロードし、名前やクレジットカードなどの情報を登録します。希望の日時をタップして、チケット購入まで事前に完了。

当日はスマホとイヤホン持参で、会場のホテルアンテルーム那覇へ。7階の屋上に着くと、目に入ったのが220インチ(横約4.9メートル×縦約2.8メートル)の大きなスクリーン。強風が吹くと揺れますが、自然の環境だからこそ。泊大橋が架かる海を臨み、夕焼け空に包まれた会場には椅子や枕が置かれ、座っても寝っ転がっても良しという自由な空間でした。

日が沈んで『メイド・イン・ヘヴン』の上映がスタート。国広富之さんと手塚理美さん演じる夫婦が主役の心温まるファンタジーで、海風に吹かれ鑑賞しました。流れる雲の合間から時々星も見え、映画にマッチして感動。音声はスマホのイヤホンで聞くので、登場人物のせりふはもちろんセミの声や街の雑踏など全ての音が耳の中ではっきりと聞こえ、想像を超える没入感でした。夜空の下ですてきな映画を見たと、幸せなひと時を実感しました。

映画関係者も期待

来場した作品関係者にインタビューしました。

プロデューサーのカマチさん(右)と俳優の佐々木心音(ささき・ここね)さん
沖縄出身の俳優、尚玄(しょうげん)さん

「くつろぎながら自分の世界に入っていける、初体験の上映会でした。撮影場所の千葉県木更津市も海の街なので沖縄の方に見ていただきたく、素晴らしいホテルで野外上映できると知り開催を決めたんです。『会いたい人は誰ですか?』と問いかける感動コメディーで、ロングラン上映しています。ハンカチ持参でご来場ください」(プロデューサー・脚本・出演/カマチさん)

「天国が舞台の映画を空の下で見て、不思議な空間に巻き込まれた感覚でした。大人の夫婦の絆を描き、身近な人を大切にしようと思わせる作品なので多くの方に見ていただきたいです。ご夫婦で見ると良いですね」(俳優/佐々木心音さん)

「初めて体験した上映会で、自然を感じながら映画を見るのはすてきでした。お酒を飲みながら楽しめるので、沖縄の夜の遊び方として広がっていくと良さそうですね。今までの出演作を上映するなど、上映イベントを企画したいです」(俳優/尚玄さん)

映画関係者もシネウェブ上映が新鮮で、楽しんでいる様子でした。最後にスタッフの嘉陽さんに話を聞くと「みんなで見る楽しさもありつつパーソナル感もある鑑賞方法です。大音響の騒音にならないのはエコフレンドリーにつながりますし、学校や公園など環境と観客に合わせた形式で上映会を計画していきます」とのこと。映画館のない地域や離島でも歓迎されそうですね。今後の展開が楽しみな調査員でした。

シネウェブジャパンのスタッフ、(右から)嘉陽さん、ポールさん、武川さん、澤岻さん


 

〈かずさ映画イン沖縄 天空 de CINEMA〉

●10月21日(金)19時30分~21時
『メイド・イン・ヘヴン』上映
(上映後、丹野雅仁監督とカマチ・プロデューサーによる舞台あいさつあり)

●10月28日(金)19時30分~20時54分
『キミサラズ』上映
(木更津ロケ作品/歌舞伎の演目『切られ与三』をモチーフに、画家と芸者の時空を超えた初恋を描く)

料金:2000円(1ドリンク・1スナック付き)
詳細・問い合わせはFacebook「Cinewav Jp」Instagram「cinewav_j apan」
メール「kkayo@cinewav.com」まで


(2022年10月20日 週刊レキオ掲載)