浜辺に響く 平和の歌 16日から2日間 読谷で海上音楽祭


浜辺に響く 平和の歌 16日から2日間 読谷で海上音楽祭
この記事を書いた人 Avatar photo 玉城江梨子
海上ステージに立ち、来場を呼び掛ける区民ら=3日、読谷村楚辺のユーバンタ浜

【読谷】読谷村楚辺のユーバンタ浜で海上に設営された舞台での歌を楽しむ「きらめくユーバンタ夕焼けコンサート」が16、17の両日、16年ぶりに開催される。観客は浜辺に座り、楚辺出身のkiroroらが海上で歌声を響かせる。

 コンサートは「平和を守り命をつなぐニライカナイの浜へ」を主題に区民が準備を進めてきた。

 ユーバンタは「世立て(世が始まった)のハンタ(崖)」を意味し、楚辺集落が発祥した地といわれている。沖縄戦時は米軍が上陸し、数十年前は生活排水で汚染されていた。区民らはきれいによみがえった海で、楚辺の歴史や文化、平和の大切さを継承しようと意気込んでいる。

 コンサートは浜の横にある「艦砲ぬ喰ぇ残さー」の歌碑建立から3年を記念した催しを開こうとしたのがきっかけ。16年前に海上で開催されたユーバンタコンサートが好評で、開催を求める声が上がったことから実施につながった。

 海上ステージは満潮時に浜から約8メートル離れた場所にある。ステージの周りには子どもたちによる手作りの発光ダイオード(LED)ライトが設置され、ニライカナイを連想するような幻想的な光が照らす。

 池原玄夫実行委員長は「区民はそれぞれいろいろな技術を持っていて、それを生かさない手はなかった」と話す。

 総合プロデューサーの金城輝彦さんは3日の結団式で「平和だからできることだと、子どもたちに伝えられたらいい。楚辺から平和を発信していこう」と呼び掛けた。

 コンサートは16日が前夜祭として「いーどぅし」など、17日はkiroroや河口恭吾、でいご娘らが出演する。入場無料。問い合わせは実行委員会事務局(楚辺公民館内)(電話)098(956)2326。

(2016年7月15日付 琉球新報掲載)