高さ2・8メートルの円形の台に、木製の椅子を積み上げていく。固定されずに重なり合った椅子の上で、男性パフォーマーが倒立を披露する。「七丁椅子の妙技」は、わずかなずれが失敗につながる、究極のバランス芸だ。
スポットライトに照らされた台に上ると、地上にいる補助役から椅子を受け取り、一つ一つ慎重に重ねていく。積み上げる途中にも倒立を行う。タワーのようにそびえる椅子の重なりに、補助役は棒を使って椅子を渡す。
演技者の一人の高原謙慈さん(41)は「会場によっては、完全な水平にならない時もある。演技中にコントロールする」と明かす。シンプルながら、絶妙な感覚が求められる。
数が増えるごとに、不安定さに拍車がかかる。観客は「落ちるのでは」とはらはらしながら見つめる。椅子が七つに達し、ゆっくりとした動きで最後の倒立をする。高さは7メートルほどになる。足をぴんと伸ばした美しい倒立の影が、テントの奥に浮かび上がった。
木下大サーカス沖縄公演
琉球新報社は、新本社ビル落成記念プレ事業として15日から来年2月26日まで、豊見城市の豊崎タウン特設会場で「木下大サーカス沖縄公演」を開く。夢あふれるステージの見どころを紹介する。
公演情報はこちら → 迫力満点! スーパーミラクルイリュージョン★木下大サーカス沖縄公演
Information
●2017年12月15日(金)~2018年2月26日(月)
豊見城市豊崎タウン特設会場
●休演
毎週木曜日、12月31日、1月10日、2月14日
※ただし1月4日(木)は開演
●当日券
一般自由席
おとな2,900円 こども(3歳以上中学生まで)1,900円
●問い合わせ
琉球新報社 営業局098(865)5200
(平日午前10時~午後5時)
(2017年12月12日 琉球新報掲載)