マイナカード普及に必要なこと モバプリの知っ得[231]


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マイナンバーカードに関するトラブルが度々ニュースになっています。総務省は6月20日、同姓同名の別人のカードを発行する事案が全国で2件、静岡ではマイナンバーカードと障害者手帳情報の連動を間違ったケースが62件あったことを発表しています。トラブルを全て紹介していたら、スペースが足りなくなるのでこのくらいにしておきますが…。政府は連続して発生するトラブルに対応するため、マイナンバー点検本部を設置し、今後「総点検」を行います。

トラブルの内容はさまざまですが、原因を調べると「急いでマイナンバーカードを普及させようとした結果ミスをする人が出てしまった」といったものが多く、いわゆる「ヒューマンエラー」と呼ばれる事故です。今後は進めるスピードを調整しながらミスが生まれにくい仕組みを作っていくことが求められます。

世の中のデジタル化はこれからの時代に間違いなく必要で、私たちも便利さを実感していくと思います。その反面、デジタル化でデータを利用するには、利用者(今回の場合は国民)の信頼が大切になってきます。信頼できない企業に個人情報やデータを預けたくないように、信頼できない政府にデータを預けても、便利さよりも不安の方が勝ります。ヒューマンエラーはすぐに解消できても、信頼はすぐに築き上げられるものではありません。マイナンバーカードがここから先広がるためには、信頼される運用をすることが何より重要となるでしょう。

イラスト・小谷茶(コタニティー)

~ 言葉の解説 ~

「ヒューマンエラー」 … 人の「うっかりミス」などによって発生するミス、トラブルのこと。ヒューマンエラーは、間違った思い込み、集中力の低下、経験不足などによって発生します。「気を付ける」「集中してやるようにする」などの根性論でヒューマンエラーを防ぐことはできないため、何らかの「仕組み」を作り、ミスをしようとしてもできないように工夫することが求められます。

 琉球新報が毎週日曜日に発行している小中学生新聞「りゅうPON!」でも同じテーマを子ども向けに書いています。

 親子でりゅうPON!と琉球新報style、2つ合わせて、ネット・スマホとの付き合い方を考えるきっかけになればうれしいです。

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。

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