<社説>宜野湾市長選告示 沖縄の未来築く1票を

 米軍普天間飛行場の閉鎖と名護市辺野古への新基地建設の是非が最大の争点となる宜野湾市長選挙が、17日告示される。

 2期目を目指す現職の佐喜真淳氏(51)=無所属・自民、公明推薦=と、新人で翁長県政与党の支援を受ける志村恵一郎氏(63)=無所属=による一騎打ちとなる見通しだ。
 米軍普天間飛行場は71年前、米軍が住民を収容所に隔離する中で強制的に建設された。1996年の返還合意からことしで20年を迎える。
 佐喜真氏は2012年の市長選で、県外移設を公約して当選した。しかし13年には県内移設を事実上容認する姿勢に転じた。今回は移設先への言及を避けつつ「早期返還」を強調、辺野古移設を推進
する政権与党からの支援を受ける。
 志村氏は「辺野古新基地建設阻止」を掲げる翁長県政と歩調を合わせ「辺野古移設は危険性の放置でしかない。名護市に痛みを押し付けてはいけない」と強調する。辺野古移設によらない「無条件の閉鎖撤去」を主張している。
 選挙戦を通じて佐喜真氏には辺野古の賛否と早期返還への道筋の提示を求めたい。志村氏も無条件閉鎖・撤去に向けた取り組みを具体的に説明してほしい。
 一方、選挙結果は安倍政権が強行する辺野古への新基地建設に影響を与えるはずだ。しかし、安倍晋三首相は最近になって「安全保障に関わることは国全体で決めることだ。一地域の選挙で決定するものではない」と述べた。選挙前から選挙の意義を失わせるだけでなく、地方自治を否定し、自己決定権を無視する発言だ。
 本来なら、より豊かな市民生活の在り方が主要争点になるはずだが、宜野湾市民は常に米軍基地を問わざるを得ない環境に置かれてきた。一地域に外国の基地を過重負担させてきた国家に責任がある。「沖縄の方々の気持ちに寄り添う」(安倍氏)という衆院での発言がしらじらしく響く。
 普天間問題以外にも、県内で2番目に多い待機児童解消など子育て支援、産業振興、医療・福祉、まちづくりの方向性など明確な主張と政策を有権者に提示してほしい。
 言うまでもなく民主主義の基本は選挙だ。主権者は選挙を通じて意思表示する。有権者の1票が、宜野湾市、ひいては沖縄の未来を築くことにつながることを肝に銘じたい。