4日は二十四節気の「清明」。県内では親族で墓参りをし、供えた重箱料理を食べる清明祭(シーミー)のシーズンが本格的に始まるが、新型コロナウイルスの影響で今年は様相が異なる。県や県医師会の要請を受け、シーミーを取り止めたり、規模を縮小したりする人たちも出てきた。一方、墓地の管理者は「来る人を制限することもできず、混雑する休日を避けるようお願いするしかない」と対応に悩む。
3日、那覇市識名の墓地を掃除していた大島常義さん(69)は「人が密集する日を避けて来た」と清明入りを前に訪れた。「掃除とお供えだけして、また来年やります。親や祖先も気持ちは分かってくれると思う」と語った。
那覇市繁多川を散歩していた安里昌徳さん(70)は、テレビで県医師会の会見を見て、自粛を決めた。「今年は自宅でトートーメーにお供えする。こういう事情だからしょうがない」と話した。例年25人ほど集まるという那覇市の有銘興徳さん(85)は「今年は家族の代表だけでシーミーをする」と医師会の助言に従うつもりだ。
墓地の管理者も、対応に悩んでいる。識名霊園を管理する那覇市の担当者は「利用したい人がいる限り、制限することはできない」と話し、予防策を促す紙を掲示する方針だ。
沖縄市の金剛山遍照寺は「小規模、短時間で実施するようお願いしたい」と話した。