街ひっそり人まばら 沖縄、緊急事態宣言後の週末


この記事を書いた人 Avatar photo 大城 誠二
緊急事態宣言で閑散とする国際通り=18日午後4時ごろ、那覇市牧志

 新型コロナウイルス感染症を巡り、沖縄も対象とする国の緊急事態宣言が出されて最初の週末となった18日、商業施設や観光地では人の姿はまばらで、ひっそりとした。公園やビーチでは、利用者同士が適度な距離を保ち、過ごしていた。

 糸満市摩文仁の平和祈念公園で、宜野座セツ子さん(64)=糸満市=は別の利用者と距離を取り、孫とバドミントンで汗を流していた。「感染拡大が怖いから緊急事態宣言は良かった」とほっとした。この日、県内は夏日。「久しぶりに良い運動ができる」
 宜野湾市のトロピカルビーチでは、この日予定していた海開きが中止になった。「距離を取って利用をお願いします」。管理事務所が施設内放送を通して呼び掛けた。ビーチ周辺では、マスク姿の人が散歩したり、家族連れがピクニックを楽しんだりしていた。おいっ子らと昼食を楽しんでいた来間翔太さん(33)=浦添市=は「子どもたちはずっと家にいてストレスがたまっていた。短時間でも外出できて、良い息抜きになった」と表情を和らげた。
 一方、企業や事業主は先の見えない状況への不安が膨らんでいる。那覇市の第一牧志公設市場は従業員の感染が確認された後、4日から臨時休業した。一部営業を再開し、18日までの全面再開を目指していた。しかし、全国への緊急事態宣言などを受け、この日もほとんどの店が閉まっていた。粟国智光組合長は「週明けに知事が発表する方針を見極めて、市場の方針を決めたい。大胆な経済対策を打ち出してほしい」と訴えた。
 名護市の「道の駅許田」ではマスク姿で買い物する利用客の姿がぽつりぽつり。てんぷらを販売していた大城博克駅長(44)=名護市=は「客が7割減った。緊急事態宣言の対象となり、さらに減るだろう。夏ごろには何とか終息しないだろうか」とため息を漏らした。