玉城知事、沖縄戦の教訓は「命どぅ宝」 戦争体験に言葉少なかった母語る


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定例会見で記者の質問に答える玉城デニー知事=26日午前、県庁

 沖縄県の玉城デニー知事は26日の定例会見で、記者から6月23日の「慰霊の日」の平和宣言内で言及した「沖縄戦の教訓」について尋ねられ、「一言で言うと、『命どぅ宝』(命こそ宝)だ」と答えた。玉城知事は続く記者の質問に答える形で、伊江島出身の生みの母の戦争体験や戦後の苦しみについても語った。

 玉城知事は「沖縄戦の教訓」について「多くの住民の犠牲と、その悲しみや傷が75年たっても癒えないことに真摯に向き合い、戦争の犠牲を再び引き起こさない環境をつくるためにどのように努力するか。真摯に探求し実行することが私の思いだ」と語った。

 沖縄戦のうち伊江島での戦闘(1945年4月16~21日)で島民1500人以上、日本軍2千人以上が亡くなっている。玉城知事の生みの母は10歳で戦渦に巻き込まれた。米軍に保護され、慶留間島に収容されたという。玉城知事は「母の記憶では、あまり周辺では激しい戦闘はなかったのかもしれないし、覚えているけど話したくないかもしれない。あまり深くは戦争のことは語らなかった」と話した。

 その上で「戦争が終わった後の生活の方がより大変だったと聞いた。さまざまな後遺症というか、傷というか、それを癒やすのはなかなか簡単ではないんだな、と母の話を聞いて子どもながらに考えたことがある」と述べた。

 玉城知事は伊江島出身の生みの母と米海兵隊員の元に生まれた。育ての母として故知花カツさんがいる。【琉球新報電子版】