宮古島「優先すべきは命」でも…まん延防止指定、影響に不安も


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 【宮古島】県が宮古島市を「まん延防止等重点措置」に指定したことに、市民の多くは市内の感染状況を踏まえて「仕方がない」と理解を示した。同市では1月末から2月にかけてコロナ感染が急拡大し、医療崩壊の危機に陥った。高齢者施設では大規模なクラスター(感染者集団)も発生し、9人が亡くなっている。市民は「優先すべきは命だ」と声をそろえた。

 市内飲食店では既に多くの店が県の時短要請に応じている。

 飲食店を営む50代の男性は、市内で変異株が確認された時点で休業を決めた。「開けても客は来ないだろうし、万が一、店で感染が広がったら取り返しがつかない」と話した。一方で収束後の不安も抱える。「再開できても客が戻るかどうか」と吐露した。

 5月の大型連休を控え、宿泊業への影響を心配する声もある。ホテル経営の男性は「またキャンセルが続くだろう。仕方ないがどうしようもない」と肩を落とした。

 宮古島観光協会はマスクや消毒液配布、対策優良店の認証制度構築など、宿泊や飲食などの加盟業者と一丸となって防止策に取り組んできた。平山茂治専務理事は「現状を考えると致し方ない。優先すべきは市民の命と健康だ」と語った。