会員制の講演会組織「琉球フォーラム」(主宰・富田詢一琉球新報社社長)の10月例会が14日、那覇市のパシフィックホテル沖縄で開かれた。前ニューヨーク・タイムズ東京支局長のマーティン・ファクラー氏が「米国の新聞特派員が見てきた沖縄の矛盾と苦難」と題して講演した。
ファクラー氏は「戦後の日本の矛盾が一番明確な形で見えるのが沖縄だ。沖縄の基地の多さから、日本は平和主義国家ではないとはっきり分かる」と指摘した。
ファクラー氏は中国などのミサイル能力向上を念頭に、沖縄に基地を集中させる米軍配置は脆弱(ぜいじゃく)になってきたとの米国内の意見を紹介し、「沖縄にある米海兵隊を減らすべきとの考え方をよく聞くようになった」と話した。
翁長雄志知事の世論喚起手法について触れ「国内へのアピールが一番効果的だ。日本の世論が沖縄を支持すれば、日本政府ができることは限られる。日本の世論が一番の武器だ」と述べ、国内への訴えをより強める必要性を強調した。