ダイオキシン630倍 沖縄市ドラム缶、枯れ葉剤主要成分も


この記事を書いた人 Avatar photo 金城 潤

 【沖縄】米軍基地返還跡地の沖縄市サッカー場から有害物質を含むドラム缶が発見された問題で、沖縄防衛局(井上一徳局長)は11日、環境調査の報告書を発表した。缶のたまり水(未ろ過水)から水質環境基準値の630倍のダイオキシン類を検出した。ダイオキシン類は全検体で検出され、缶付着物と底面土壌の各8検体の大部分からは高い濃度が検出された。

 防衛局は今回、4月に地下数メートルで発見したドラム缶8本分の調査結果を公表した。調査からダイオキシン類は、有害物質PCP(ペンタクロロフェノール)とPCB(ポリ塩化ビフェニール)などの由来が推定される。たまり水からは、枯れ葉剤の主要成分「2・4-D」も検出され、複合的な汚染が確認された。
 たまり水(未ろ過水)は3検体で、ダイオキシン類は基準値の630倍、110倍、83倍だった。モニタリング調査が必要な土壌環境基準の指標値となる毒性等量(TEQ)1グラム当たり250ピコグラムを超える検体は、缶付着物が全8検体のうち5検体、底面土壌が全8検体で指標を超え、高い濃度の汚染が確認された。
 沖縄・生物多様性市民ネットワークの河村雅美共同代表は「複雑で深刻な汚染が再確認された。本質的な由来の検証が必要だ」と徹底検証を求めた。