那覇市が2012年から進めてきた旧石器時代最古級の遺跡として知られる「山下町第一洞穴遺跡」の公園整備事業がこのほど終了し、開園式が8日、市山下町の同所で開かれた。3万2千年前の人骨などが発掘された岩場を軸に、市民の学習の場や観光スポットとしての活用が期待される。
洞穴は幅約1・2メートル、高さ約3メートル、奥行き約5メートルで1962年に発見された。2度の発掘調査で鹿の角や骨で作った道具(骨角器)、推定8歳の女児の骨などが出土し、女児は「山下洞人」と名付けられた。69年に琉球政府の史跡指定を受け、現在は県指定史跡。
公園の面積は約900平方メートルで、私有地を市が購入するなどして整備に着手。事業費は約1億円。敷地内には遺跡説明板をはじめ、トイレやベンチ、健康遊具などが設置され、車両2台分の駐車スペースも確保されている。
8日の開園式には地域住民らが出席。城間幹子市長は「公園が市民に愛され、地域の交流の場となることを祈念する」とあいさつ。金城徹市議会議長は「遺跡が公園化されるのは全国的にも珍しい」と述べ、今後の活用を期待した。
地域の保育園児らによる踊りや、市文化財課担当者らによる遺跡説明も行われた。
英文へ→Yamashita ruins to become park for citizens