経済

南西石油、撤退前にタンク貸し出し 安定供給へ暫定措置

 県内のガソリンや軽油など石油製品の6割を販売する南西石油(西原町、リンコン・シオジロ・イシカワ社長)が3月末に販売を打ち切るのに伴い、既存の石油タンクを国内の石油元売りに貸し出す事業に乗り出すことが分かった。同社の事業承継先の見通しが立たない中で、安定供給のための暫定措置として位置付ける。これにより県内に出回るガソリンや石油製品の量は確保される見込みだが、県外からの輸送費やタンクの管理コストが転嫁されるため石油製品の値上げが懸念される。

 経産省資源エネルギー庁の担当者は22日、琉球新報の取材に対し「現在、元売りと商社、南西石油が交渉しているところだ。貸し出しは早ければ年度内になると思うが、交渉次第で4月1日以降の可能性もある」と説明した。
 親会社のブラジル国営石油会社ペトロブラスは昨年、南西石油の全株式を新たな経営者に売却し、事業を承継した上で日本から撤退する方針を示していた。南西石油は昨年4月に石油精製事業を停止。現在、県外で精製された石油製品を移入して貯蔵・販売する事業のみ継続している。
 南西石油の売却交渉は難航しており、承継先はまだ決まっていない。暫定措置としての石油タンク貸し出し事業を続けながら4月以降も承継先を探す考えだ。
 関係者によると、既に2月からのタンクの利用を考えている元売り業者があるという。
 既存タンクの維持・補修管理は南西石油が担う方向だが、輸送費など元売り業者が負担する経費が石油製品価格に転嫁される見込みだ。県内の石油卸売業者は「コストを上げてほしくないが、対応のしようがない」と話している。
 ペトロブラス社は昨年9月、県内の石油卸売業者らに対し石油製品の値上げを通知し「3月31日以降は販売契約を一切更新しない」と通達していた。さらに11月には、価格変更に同意しない場合は契約を解約する旨を通知していた。エネルギー庁は同社に対し、県内の石油流通の安定供給に努めるよう指導していた。(阪口彩子)



琉球新報