米軍ヘリパッドの環境影響調査を 県、国に保全措置要求


この記事を書いた人 田盛 良一

 米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)移設事業に対し、翁長雄志知事は22日までに、MV22オスプレイの騒音や高温排気熱が周辺で生息する動植物に与える影響を調査することなど、8項目22件の環境保全措置を沖縄防衛局に要求した。

 要求は昨年12月11日付。沖縄防衛局が出した事後調査報告書に対する県環境影響評価審査会(会長・宮城邦治沖国大名誉教授)の答申を受け、知事が出した。高江ヘリパッド建設反対現地行動連絡会の北上田毅さんが県に答申と要求の情報開示を請求し、入手した。
 東村高江に隣接するN4地区の着陸帯2カ所は昨年2月に米軍が使用開始。ただ環境影響評価(アセス)はオスプレイの使用を想定していなかった。昨年9月の同審査会による現地調査で、同着陸帯の芝が茶褐色に枯れていたことや、県内で自生していないクズ(マメ科)も確認された。
 要求は、芝が枯れていたことに関し、廃ガスに含まれる窒素酸化物の影響も検討するよう求めた。沖縄防衛局の調査でも県内で自生していないスギナが確認されたとして、芝を県外から調達しないことなど、外来種の侵入防止を徹底するよう要求した。
 高江集落での低周波音測定のほか、基地内の既存道路で確認されている崩落箇所での赤土流出を防ぐことも求めた。