サイパンでの戦争で生き別れた当時1歳の妹悦子さんを捜している金城敏子さん(81)=西原町、保育園長=が27日、南洋群島の戦争被害国家賠償訴訟の原告団が那覇市で開いた交流の集いに参加した。サイパンで戦争孤児となり妹とはぐれた体験を語り、情報提供を呼び掛けた。
金城さんは「私に似た人に会えたらいいなと思って来た。同じサイパンで暮らした皆さんの活動には熱い思いを感じる」と語った。沖縄で親類に引き取られ戦後は妹を捜すことができなかった経緯や、20年ほど前から相次いで中学校教師に間違われた経験を報告し「妹が生きていることを祈っている」と話した。
サイパンで両親を失って沖縄に引き揚げた祖堅秀子さん(77)=うるま市=は「金城さんに似た人は思い当たらないが、米国人に引き取られていった孤児もいる。何か分かれば連絡したい」と話した。
会では、3月16日に訴訟の口頭弁論があり同日に沖縄戦被害者による国家賠償訴訟への判決も言い渡されることから、野里千恵子原告団長が「傍聴席を埋め尽くそう」と呼び掛けた。
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英文へ→Kinjo seeking information about her sister separated in Saipan