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那覇市、困窮患者に薬代助成へ 治療断念を防止

 那覇市は2016年度から無料・低額診療(無低診)事業を受ける生活困窮患者を対象とした薬代助成事業に取り組む。新年度当初予算案で事業費55万円を計上する。現行の無低診事業は薬代が減免対象外のため治療を断念する患者がいるとみられ、独自の事業実施に踏みだした。市によると同様の事業は県内初。

 対象者数が把握しづらいこともあり、市福祉政策課は青森市など県外の先進自治体の実績を参考に予算を計上。助成で投薬を含む一体的な治療を促し、長期的に生活保護受給世帯の抑制にもつなげたい考えだ。
 無低診事業では医療費が減免されるが、薬代は院外薬局で薬剤師が調剤する「医薬分業」を国が進めたことから対象外となっている。県内の実施機関は市内3カ所を含む8カ所。
 昨年2月、市と市議会に助成を要請した沖縄健康企画(上原幸代社長)によると、無低診を実施している沖縄協同病院が12年4月~14年12月に発行した市民の処方箋280件のうち、隣接する同社運営の薬局で60件は来局していなかった。
 上原社長は「受診しても薬代が払えないため来局しない患者がいると推測できる」と指摘。「他市町村でも同様の状況があると考えられる。全県的に広がることを期待する」と話した。
 市は今後、市議会を経て関係団体と手続き方法などを協議し、新年度中に事業を開始する。城間幹子市長は「少額だが、この事業による手当てで生活困窮患者が健康になり、働けるようになるという相乗効果も期待できる」と期待した。