経済

「子の貧困」県内経済界も対策 同友会、4月までに骨子

 子どもの貧困問題で、県経済界も対応策の検討を始めた。失業率に改善の兆しが見られるものの、依然として非正規率や1人当たり県民所得が全国最下位という沖縄の経済・雇用情勢下で、経済界の役割が欠かせない。沖縄経済同友会は2016年度の重点施策に貧困対策を盛り込むことを表明。連合沖縄と今春闘要求の意見交換をした県経営者協会も、子どもの貧困の改善に向けて所得や雇用の安定の必要性で一致した。

 「対応を放置すれば、次世代に引き継ぐ貧困の連鎖が生じる。社会全体の問題として要請を真摯(しんし)に受け止め、今後の取り組みを具体的にする」
 県内の企業経営者ら260会員でつくる沖縄経済同友会(代表幹事・玉城義昭沖縄銀行頭取、大嶺満沖縄電力社長)の玉城代表幹事は、21日に那覇市内で開かれた島尻安伊子沖縄担当相との意見交換会の席上、貧困問題の改善に向けて企業や経済団体を挙げて取り組む決意を示した。
 会合で島尻沖縄相は(1)ひとり親の雇用促進(2)子どもの居場所の支援(3)貧困世帯への学習支援を行う学生ボランティアへの経済支援(4)奨学金の拠出-に経済界の協力を要請。その上で「賃金や正規雇用への引き上げ、企業内保育施設の整備も考えられる。各企業の特色を生かした取り組みをお願いしたい」と企業の担う役割に理解を求めた。
 県内の非正規の職員・従業員率は44・5%と、全国平均の38・2%を上回る。内閣府は、正社員化など雇用安定に取り組んだ事業者や親の学び直しを支援するため貸付金利を優遇する沖縄振興開発金融公庫の新制度などを説明した。
 会談後、玉城代表幹事は「民間としてどういう支援に関われるのか各企業が見いだし積極的に参加することが大事だ。団体としてできることや、取りまとめ組織など検討が必要な項目があるが、同友会が取り組むことで議論が広がる」と語った。4月下旬に予定する総会までに柱となる方向性を検討し、会員にも各企業での対応を呼び掛ける。
 23日に那覇市内で開かれた労使首脳会談で、連合沖縄の大城紀夫会長は県経営者協会の安里昌利会長に対して「低賃金、非正規労働が大きな要因であり、低賃金であるが故のダブル、トリプルワークによる家庭の時間が取れないことが子どもの貧困に派生している」と貧困解消に向けた労働条件の底上げを強調した。
 終了後、安里会長は記者団に「収益をどの程度分配できるか。各企業ごとに課題があるが、基本的には前向きな姿勢で取り組む。経営の継続性によって雇用を守る使命をまずは果たしながら、社会的な課題も解決していく」と述べた。