【ワシントン=問山栄恵本紙特派員】米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設が従来計画より2年遅れの「2025年」になるとの見通しを23日に米議会上院軍事委員会で示した米太平洋軍のハリス司令官は24日、下院軍事委員会の公聴会で証言し、移設の遅れによって在沖米海兵隊のグアム移転時期も遅れる可能性があるとの認識を示した。12年の外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)では普天間移設とグアム移転は切り離すことで合意しており、ハリス司令官の証言は日米合意とは異なる認識を示した形だ。
公聴会では、グアム選出のボルダリオ下院準議員が普天間移設とグアム移転を切り離すとした日米合意を強調した上で、移設の遅れがグアム移転に影響があるかどうかを質問した。
ハリス司令官は「計画は、普天間から辺野古のキャンプ・シュワブに海兵隊が移転し、その後に海兵隊8千人がハワイとグアムに移転するものだった」と説明。その上で「現在、(普天間移設とグアム移転が)リンクするかしないかだが、普天間からシュワブへの移動は遅れている。私は海兵隊の徴兵を延期しなければならないだろう。もしかするとタイミングに関して唯一、影響があるだろう」と述べ、リンクについては明言を避けたが、移設の遅れで沖縄駐留が延期する可能性に言及した。
ハリス司令官は23日の上院軍事委員会で、在沖海兵隊8千~1万人のグアムなどへの移転も辺野古移設が完了する25年と同時期に実現すると指摘した。
国防総省はこれまで、普天間移設とグアム移転は日米合意に基づき、切り離して進めると説明している。
米軍制服組トップの統合参謀本部議長のダンフォード氏も海兵隊総司令官だった昨年の上院軍事委で、辺野古移設が進展しなければグアム移転も進まないとの考えを示唆したが、1週間後の下院軍事委で「リンクしない」と発言を修正した。