「植民地体制」脱却を 宜野湾で琉球独立学会国際シンポ


この記事を書いた人 志良堂 仁
「先住民族の自己決定権」について活発に意見を交わす登壇者ら=12日、宜野湾市の沖縄国際大学 

 琉球民族独立総合研究学会は12日、宜野湾市の沖縄国際大学で、「先住民族の自己決定権とは何か」をテーマに国際オープン・シンポジウムを開いた。共同代表の一人、松島泰勝龍谷大学教授はスカイプ(インターネット電話)を使って参加し「琉球人が先住民族としての権利を主張することで、国際法によりその集団的権利が保障され、国際的な支援を得ることで、現在の植民地体制から脱却し、辺野古新基地建設計画を止めることも可能になる」と訴えた。

 松島氏は「先住民族は血によって定義されるものではなく、抑圧の歴史を共有した人民という政治的概念で、人民自らが決める」と説明した。
 ハワイ大学大学院生の知花愛実さんは、ハワイの先住民族と沖縄人の共通性と違いから多くが学べるとした上で「民族性よりも、ウチナーンチュが権利主体であることが重要だ。権利の行使の仕方について丁寧に議論する必要がある」と主張した。琉球大学博士研究員の宜野座綾乃さんは「自己決定権の議論では女性への暴力や、女性の自己決定権という視点も大切だ」と提起した。
 グアム政府脱植民地化委員会のエドワード・アルバレス事務局長はグアムの先住民族チャモロ人と沖縄人の歴史に共通点が多いとし「沖縄には豊かな歴史がある。次世代のことを考え、立ち上がってほしい」と強調した。グアム大学のマイケル・ベバクア准教授は「日本併合前の自分たちを思い出し、先住民族であることに気付けば、併合を美化する歴史から自分たちの歴史を取り返し、日本のしがらみから自らを解放することができる」と話した。
 豊見城市議会が12月に「国連委員会の『沖縄県民は日本の先住民族』という認識を改め、勧告の撤回を求める意見書」を可決したことについて、同学会は13日に総会を開き、意見書に抗議し、謝罪と取り消しを求めることを決める方針だ。