社会

米兵女性暴行、広がる怒り 女たちの会「軍隊の構造的暴力」

記者会見する「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」の高里鈴代共同代表(左から2人目)ら=15日午後、県庁

 那覇市内で13日に発生した米兵による女性暴行事件を受け15日、県内の女性団体や基地所在市町村長らから抗議の声が大きく広がった。「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」(高里鈴代、糸数慶子共同代表)は同日、県庁で会見し、被害者への謝罪や全米兵の基地外行動の禁止などを求める抗議声明を発表した。さらに基地所在市町村でつくる県軍用地転用促進・基地問題協議会(軍転協)は同日、在沖米軍などに抗議した。那覇市議会は被害者への完全補償や再発防止などを求める意見書案、抗議決議案を17日の最終本会議で可決する見通しだ。

 「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」が発表した声明「被害者への十分な対処を求め、米軍の撤退を求める要求書」は、那覇市内で米兵による性暴力事件が相次いでいることを挙げ、事件を「兵士個々の犯罪にとどまらず駐留する軍隊による構造的暴力だ」と指摘した。
 2010年、12年にも那覇市内で女性暴行未遂事件などが発生したことを挙げて(1)被害女性のプライバシーを守り、心身の十分なケアを図る(2)被害者への謝罪と加害米兵の厳正な処罰(3)全米兵の基地外行動の禁止(4)日米地位協定の抜本的改正(5)沖縄の全基地、軍隊の撤退-を求めている。
 女たちの会は、容疑者がキャンプ・シュワブ所属であることに関し、新基地建設に反対する行動がシュワブ前で続いていることを挙げて「米軍に人権意識が欠如し、抗議行動への認識が皆無であることを表している」と指摘した。安倍晋三首相やオバマ米大統領ら、日米各機関に送付する。
 高里共同代表は「米兵が(事件事故防止のための)リバティー制度を逆手に取って那覇市内に宿泊する事例が増え、懸念していた。日米両政府には(規制を逃れて)朝帰りする米兵をどうなくすのか、具体的な対策を求めたい」と述べた。
 糸数共同代表は「日米両政府は綱紀粛正と再発防止に力を入れると言うが、いつまで同じことを繰り返すのか。米軍が駐留する限り事件は起きる」と憤った。


抗議後、記者団に答える桑江朝千夫沖縄市長(前列中央)、城間幹子那覇市長(同左)ら=15日午前11時すぎ、北中城村のキャンプ瑞慶覧前

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 【北中城】県と基地所在市町村で構成する県軍用地転用促進・基地問題協議会(軍転協)は15日、米兵による女性暴行事件の発生を受けて在沖米国総領事館と在日米軍沖縄調整事務所に対し、抗議した。在沖米軍基地の負担軽減や普天間基地の5年以内(2019年2月まで)の運用停止なども要請した。
 軍転協副会長の桑江朝千夫沖縄市長は要請後、記者団に対し「基地を抱える沖縄県で絶対あってはならないことだ。(住民は)不安は隠し切れない」と強い憤りを示した。米軍による事件・事故が繰り返されていることについて「絶対に許されるものではない。こういったことが再び起こると県民の心のマグマに触れることになる」と述べ、沖縄側の怒りのうっ積に目を向けるよう促した。
 この日は基地負担軽減の要請行動が当初から予定されていたが、事件を受けて抗議を急きょ盛り込み、「綱紀粛正の取り組みなどこれまでの努力や過去の教訓が十分に生かされておらず、激しい怒りを禁じ得ず強く抗議する」との文書を提出。事件が発生した那覇市の城間幹子市長のほか、構成自治体の首長らも同行した。城間市長は「那覇市は観光客も多く、みんなショックを受けている」と伝えたという。
 桑江市長によると、ジョエル・エレンライク総領事は「大変遺憾に思っている」などと返答。ブレイディー・クロシェー在日米軍沖縄調整事務所長(大佐)は「捜査には全面的に協力する。今後教育プログラムを徹底する」と話したという。
英文へ→Anger spreads in response to alleged rape by US soldier