「経済、基地依存度合いきわめて高い」 教科書沖縄記述に誤認 高1用検定公表


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 【東京】文部科学省は18日、2017年度から主に高校1年生が使用する教科書の検定結果を公表した。帝国書院「新現代社会」のコラムで「県内の経済が基地に依存している度合いはきわめて高い」などと事実と異なる記述があった。さらに経済効果を「2000億円以上」とし、「政府も事実上は基地の存続とひきかえに、ばくだいな振興資金を沖縄県に支出」しているとした。

 沖縄戦における「集団自決」(強制集団死)は日本史5社6冊のうち5冊が記述。清水書院は注釈で「集団自決」を日本軍による「強要」と記述したが、ほか4冊は「追い込まれた」などの記載にとどまった。「集団自決」の記述は各社とも現行本と同じだった。 06年度検定での「集団自決」に関する日本軍の命令の有無を、断定的に記述するのは避けるよう求めた検定意見はいまだ撤回されておらず、今回の検定でも06年度検定以前のような記述はなかった。
 帝国書院の現代社会のコラムは「沖縄とアメリカ軍基地」と題されたもので、1ページの3分の2ほどが割かれた。「地元経済がうるおっているという意見もある」「アメリカ軍基地が移設すると、あわせて移住する人も増えると考えられており、経済効果も否定できないとして移設に反対したいという声も多い」などの記述もあった。
 県がまとめた県民総所得に占める基地関連収入の割合は、日本復帰の1972年は15・5%だったが2012年は5・4%に減っており、「依存」の度合いは下がっている。
 在日米軍基地に関しては現代社会6社10冊、政治・経済1社2冊、日本史5社6冊の全てに記述があった。領土の教育を強化させた学習指導要領解説書に沿って、尖閣諸島は地理4社6冊、日本史5社6冊、現代社会6社10冊、政治・経済1社2冊の全てが取り上げた。