島津氏の尚寧王宛て文書、県内所蔵2点は印刷物


社会
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 愛媛県伊予市の旧家でこのほど発見された薩摩藩主島津義久から琉球国王尚寧に宛てた書状について16日、黒嶋敏東京大学史料編纂(へんさん)所准教授(歴史学)が同市を訪れ、現物を見て原本と確認した。上原兼善岡山大名誉教授も同行した。

沖縄県公文書館所蔵のリトグラフ版とみられる書状
愛媛県で再発見された尚寧宛て書状の原本

 黒嶋准教授は、沖縄県公文書館と沖縄県立博物館が所蔵する同じ書状はいずれも、1889(明治22)年に影写本を基に石版多色刷り(リトグラフ)で製作・出版された複製本古文書集から転用されたとみている。
 約130年ぶりの原本再発見について、黒嶋准教授は「豊臣政権の外交政策に関わる文書の原本は2件目。紙や墨などの科学分析が可能になる」と意義を強調した。