「運べる香炉」開発 沖縄関ヶ原石材が特許


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分割・軽量化した香炉を開発した沖縄関ヶ原石材の緑間禎社長=15日、那覇市繁多川の同社

 沖縄関ヶ原石材(那覇市、緑間禎社長)はこのほど、重くて移動に不便な墓前の香炉に改良を加えた新たな製品を開発した。独自の製法で、香炉の分割と軽量化を実現し、納骨時の香炉の移動を容易にした。3月に特許を取得した。同社は昨年8月から販売している墓に新製品の香炉を採用している。香炉のみの販売も受け付けており、利便性の高さを武器に県内外への販路拡大を狙う。

 墓の納骨室に通じる石蓋(いしぶた)の前に置かれる香炉は通常、重さが70キロ程度と大人数人でやっと動かせる。納骨の際は墓の購入先などに香炉の移動を依頼する人が多い。関ヶ原石材にも、墓の購入者から同様の要望がある。開発した香炉は従来品と同じ御影石を使っているが、デザインに工夫を凝らし、重量は43キロ(上23キロ、下20キロ)と、30キロ程度軽くした。結合部分は凹凸状になっており、中心部にステンレス製のピンを通して固定できる。
 墓石販売で業務提携するJAさがの子会社を通じ、佐賀県での販売が決まっており、付加価値の高い香炉として九州での展開も図る。緑間社長は2009年に分割できる香炉を考案。改良を重ね、14年に完成した。同年に特許を出願し3月11日付で取得した。緑間社長は「われわれが開発した香炉は大人1人でも持ち運べるほど利便性の高い物だ。付加価値があり、県外にも広めていきたい」と話した。
 香炉に関する問い合わせは(電話)098(855)4100。