地位協定、軍属範囲縮小で日米合意 除外はわずか


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 【東京】日米両政府は5日、米軍属女性暴行殺人事件を受けた協議で、日米地位協定上の軍属の定義を4分類に明確化し、実質的に適用を縮小することで合意した。米政府は軍属としての適格性があるか定期的に見直す。今後数カ月間で細部を詰めて文書にまとめ法的拘束力を生じさせる。契約業者の従業員など一部の軍属が除外されるが、そもそも在沖米軍内で軍属は3・6%しかおらず、除外はわずかな数にとどまる。県などが求めている地位協定の「抜本改定」には踏み込まず、再発防止の実効性は不明だ。

 岸田文雄外相と中谷元・防衛相、ケネディ駐日米大使とドーラン在日米軍司令官が外務省飯倉公館で発表した。

 軍属の対象は(1)米政府予算で雇用される在日米軍のために勤務、または米軍監督下にある文民(2)米軍運航の船舶、航空機に乗る文民(3)米政府の被雇用者で、米軍に関連する公式目的のために日本に滞在する者(4)技術アドバイザー、コンサルタントで在日米軍の公式な招待により日本に滞在する者―に明確化される。技術アドバイザーらは「高度な技術」「任務に不可欠」を条件にする。日本の在留資格を持つ者は除外する。

 米側は契約業者の従業員の軍属に適格性があるか定期的に見直す制度を計画する。日米合同委員会に作業部会を設置し、在日米軍の指令を改訂・更新する。

 国内の米軍属はことし3月末時点で約7千人で、契約業者の従業員は約2千人。