辺野古警備市民リスト 防衛局「業者が破棄」 情報開示請求で説明


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 政府が米軍普天間飛行場の移設先とする名護市辺野古の大浦湾で海上警備を担う警備会社マリンセキュリティー(沖縄市泡瀬)が、移設に抗議する市民らのリストを作成していた問題で、リストに掲載された市民のうち抗議船長5人が7日に沖縄防衛局を訪れ、顔写真や名前、行動記録などが記された文書の開示を求める「保有個人情報開示請求書」を提出した。防衛局は「リストは業者の責任で作成し破棄した。(作成の)指示はしていない」として業者の判断だと強調した。

 またリストの内容を確認していないとしたにもかかわらず「表現の自由を干渉していない」と違法性がないという認識を示し、リストの内容を調査する意向もないとした。同局は監督責任には触れなかった。

 抗議船長5人は同請求書を提出後、市民団体の代表らと共に、防衛局に業者の監督や法令順守を徹底することなどを要請した。

 沖縄防衛局は5月14日にマリン社の親会社ライジングサンセキュリティーサービスの担当者を呼び、リスト作成について説明を求めたことを明かした。同社の担当者はリスト作成を認めた上で「破棄した」と報告したという。同局調達計画課の時田貴博課長補佐は「(業者へリストの)作成指示や作成への情報提供を行った事実はなく、提供を受けた事実もない」「中身は一切報告を受けていない」と市民らへ説明した。

 全国市民オンブズマン連絡会議事務局長の新海聡弁護士は取材に「防衛局の業務を行うにあたってリストが作成されたなら、同局も選任監督上の責任がある」と指摘。「リストのデータがデジタル化され、監視カメラで用いる顔認証データとして残されている可能性もある。(作成や破棄の経緯を)調査し市民に説明しないといけない」と強調した。