自動車検問は職務質問の一種だが、最高裁判例でも任意だからといって無制限に許されるものではないと示されている。
自動車検問には三つの類型がある。(1)犯罪が発生し、車で逃走した場合などに行われる緊急配備活動としての検問(2)交通違反の予防や摘発のための検問(3)いわゆる一斉検問―の三つだ。今回の検問では近くで事件が発生したわけでもなく、通る車全てを止めているので(1)には当てはまらない。整備不良車と区別をせず、交通事故多発地域でもないので(2)でもない。
となると(3)の一斉検問ということになるが、1980年の最高裁判例では「交通違反の多発する地域等の適当な場所」などで「自動車の利用者の自由を不当に制約することにならない方法、態様」で行われる限りは適法として、限定的に考えている。
しかし、今回の検問場所は交通事故多発地域でもないので適当とは言い難く、要件を満たさない違法な検問だ。
検問の目的は「高江に行くと検問される」と表現の自由を萎縮させ、座り込みに来る人数を減らしにきたとしか思えない。県警がみだりに個人情報を集めるのは自己情報をコントロールする権利を侵害し、違法だ。「ここまでやるか」という思いだ。