【ヘリパッド取材班】東村から国頭村に広がる米軍北部訓練場の新たなヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設に反対する市民らは9日朝、東村高江のN1地区ゲート前に向かう県道70号で、砂利を搬入する10トントラックに対する抗議行動を始めた。抗議行動により、通常より1時間以上遅れて10トントラック約10台が現場付近に到着しているが午前9時現在、搬入は行われていないとみられる。警察は市民らの抗議行動を警戒し、午前8時前から、N1地区ゲート前を挟んで東村側2カ所、国頭村側1カ所で一時、ダムへの進入路の封鎖や交通規制を行った。
市民ら約100人が50台以上の車両に乗り込んで県道70号を低速で走らせたり、路上で車両の前に立ちふさがったりするなどして抗議している。
一方、警察は午前7時前から県道70号の東村、国頭村の複数の地点で警察車両とともに十数人が待機。3カ所で封鎖、交通規制しながら抗議する市民や車両を排除した。排除する際、市民と警察がもみ合い、現場は緊迫している。
警察が県道70号周辺で封鎖、道路規制を始めたため、沖縄防衛局によるテントの撤去を警戒した通称「N1裏」で泊まり込んでいる市民たちは「テント撤去が始まるのではないか」と一時、緊張した。
警察による封鎖、道路規制は市民らの砂利搬入トラックに対する抗議行動へのけん制とみられる。警察による3カ所での封鎖、道路規制は午前9時30分までに全て解除された。
通常、砂利トラックは十数台がまとまって東村まで北上し、いったんN1地区ゲートより手前のメインゲートに入る。その後、2台ずつ県警車両4台程度の警護でN1地区ゲートに入る作業が、午前8時すぎから午前10時ごろまで続く。だが、9日は市民らの抗議行動でN1地区ゲートへの最初のトラック搬入が行われており、作業終了まで通常より時間がかかるとみられる。
9日早朝、N1裏ゲートで行われた朝の集会には市民ら約100人が参加した。うち一部が裏ゲート前のテントや車内で泊まり込んだとみられる。
【琉球新報電子版】